激闘と決意

第Ⅰ章 第33話

「生徒会室に案内するね。それより、さっきの魔法、驚いた。まさか紫ちゃんが訓練で紫ちゃんに怪我を負わせられた人、初めて見た。それに、詩織さんの時には知らなかった魔法も増えていたからね」

無邪気でそう言ったのは、光だった。


「そうなのね。まぁ、アオトはこの学園では余り珍しい二つの属性の精霊だから」

私はそう答えた。


フェアリネスの精霊では、基本、一つの属性の精霊が多いが、私の精霊・アオトや、優音のアカツキは二つの属性の魔法を使う事が出来る。アオトは、水と氷の魔法を使う事が出来る。フェアリネスの世界では、二つの属性魔法を使役できる精霊は、かなり希少である。


「着いたよ。光と紫だよ。姫宮さんと烏丸さんを連れて来たよ」

「そうか、入れ」

光はアーサーが許可を出したので、生徒会室に入った。


「ご苦労、光、紫。下がって良いぞ」

アーサーは光にそう言うと、光と紫の双子の姉妹は、下がった。


「さて、姫宮さんには、もう話しているけれど、烏丸君にも、姫宮さんと同じ様に生徒会並びに精霊騎士【フェアリーナイト】に所属して欲しい。理由は言わなくても分かるよね?烏丸君」

アーサーが私に優音を連れて来る様に言ったのは、これが目的だと言う事は容易に考えられた。

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