第Ⅰ章 第39話
「カリバーン戻って良いよ」
戦いも終わり、アーサーはそう言った。「アオトも戻って良いよ」
氷の空間は、最初の無機質な部屋に戻り、私が使っていた氷の聖剣は、氷が砕け、精霊の姿に戻った。
「お疲れ様です、お姉様、アオトさん」
部屋に戻ってくるなり、ウィンは、私とアオトの方に向かい、労いの言葉を掛けた。「アオト、お疲れ様。無茶させてごめんね」
私は、剣の姿から精霊の姿に戻ったアオトにそう謝った。
「いいや、沙織が気にする事は無い。が・・・やはり【聖王】は侮れないね。僕と沙織がまだ、実力を出し切ってない事に気付くなんて・・・」
アオトは、私が【聖王】に指摘された事を気に掛けていた。「確かにね。それにそんな事を言うなら、【聖王】も同じでしょうね・・・。全く、腹の底が見えないわね」
私は皮肉の様に言った。
「それはそうだな」
アオトはそう答えた。
「お疲れ様です、アオト様。まさか、アオト様も聖剣の姿になるとは思っていませんでした」
そう言い、アオトに労いの言葉を掛けて来たのは、アーサーがさっきの手合わせで使用した2刀の聖剣の内の一つの聖剣の精霊・カリバーンだった。
「別に僕の聖剣の姿は、氷の魔法で構築した紛い物だけどね」
アオトはカリバーンの問いにそう答えた。
「いえ、紛い物であれ、あそこまでの威力のある聖剣を受けたのは初めてです」
物腰が柔らかいのか、アオトにそう言った。
すると「お疲れ、沙織」
そう労いに来たのは、黒瀬姉妹だった。
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