第Ⅰ章 第38話

・・・紫(ゆかり)の鎌でもアオトの氷は粉砕出来なかったのに、アーサーの光の剣ではアオトの氷にひびが入るとは、流石【聖王】と呼ばれるだけはあるな・・・。けど、流石に無限の剣でアオトの水と氷の槍を防ぎ続けるのも限界だろうな・・・。活路を見出すなら、無限の剣の魔法が解除された直ぐに勝敗は決するだろうな・・・


私は心の中でそう思いながら、この光の剣と水と氷の槍のぶつかり合いの中で冷静に状況を把握した。


そして、勝敗が決する魔法が切れた隙を私は見逃さなかった。


「流石は【聖王】と呼ばれるだけありますね。ここまで、追いやられたのは初めてです。・・・ですが、この戦い、私も負ける気はさらさら有りません。・・・氷の牢獄よ、我が敵を閉じ込める戒めとなれ【アイシクルプリズン】、それとこれで終わらせます。氷の鉄乙女よ、我が敵を喰らい尽くせ【アイシクルアイアンメイデン】」


氷の空間に現れた氷の牢獄をアーサーの頭上に展開した。そして、攻撃の隙を与える間も与えない様に連続的に、紫(ゆかり)との訓練でも用いた氷の鉄乙女【アイシクルアイアンメイデン】を行使した。氷の礫がアーサーを飲み込んだ。


私は、二つの魔法を氷の聖剣で切り裂いた。そこでこの激闘は、終結した。


「やっぱり、姫宮さんは強いね。けど・・・君、まだ、本来の実力の半分しか出して無いんじゃないかな?君の本来の実力ならこの学園の騎士達よりも一番強いんじゃないかな?」

流石に見抜かれていたらしい。


「・・・・そこまで分かっていらっしゃるとは、流石、【聖王】ですね」

聖王がそこまで私の本来の実力を見抜いていた事に驚きながらそう答えた。

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