第Ⅰ章 第20話

高橋先生はそう答えた。

その言葉で全て理解した。昨日、私が校内でアオトを行使し、この学園に潜入した闇の精霊騎士を氷漬けした。だが、その後にその精霊騎士を生徒会が連れて行き、【聖王】である生徒会長が、私の処遇を不問にする事をこの学園の先生達に話したのだろう。

じゃ無ければ、私は不問にされる事などありえないからだ・・・。


だが、昨日、話した際、私の今日の昼と放課後に生徒会長室に来るように言われていた。それまで、私の精霊行使違反の罰則が何かしらあると身構えていた。

だが、先生の話で私の処遇は不問扱いだ。そうなると私の中では腑に落ちなかった。


すると「沙織・・・。これは如何いう事だろう?確かに昨日、生徒会室に来るようにと言っていただろうに・・・」

私が腑に落ちないと察したのか、私に聞こえないくらいの声で私にそう言ったのはアオトだった。「そうね・・・まぁ、生徒会室に行けば全て分かるのだから良いでしょう」

私はアオトにそう答えた。「そうだな」

アオトは私に聞こえる位の小声でそう答えた。


それから、午前の座学を受けた。

正直、午前の座学よりも、【聖王】である生徒会長の思惑が気になり、それどころでは無かったが・・・。


「沙織、お昼にしよう」

何も知らない桜はそう答えた。「ごめん、私、用事があるからもう行くね」

私はそう答えた。


「そっか・・・。それ、私も同行して良いかい?」

そう聞いたのは優音だった。「ごめん、呼び出されてるのは私だけだから・・・。まぁ、戻って来たら報告はするから、安心して、優音」

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