第Ⅰ章 第21話

私は優音にそう答えた。「分かった・・・。気を付けて」

優音は私にそう言った。「ええ、気を付けるわ。・・・それじゃあ」

私は優音にそう告げて、教室を後にした。


教室を後にし、私は生徒会室を目指した。この学園に居る間は、私にとって無縁の場所だと思っていたが、まさか、こんな形で訪れるとは思って居なかった。

暫く歩くと、生徒会室に着いた。私は一呼吸し、生徒会室の扉をノックした。


「フェアリネス学園1年生の姫宮沙織です。それと精霊のアオトとウィンも一緒です。入っても宜しいでしょうか?」

私は、そう告げた。「どうぞ、入って」

承諾の声を聞き、私は、扉を開けた。


部屋には、大きい円卓と椅子、【聖王】アーサーが執務する机と椅子が鎮座していた。


「待ってたよ、姫宮さん」

そう言うのは【聖王】とこの学園で呼ばれ、精霊騎士【フェアリーナイト】のリーダーも務め、このフェアリネス学園全生徒において、最強の精霊騎士と名高い男・アーサーその人だった。しかもそこには【聖王】アーサー以外の生徒会のメンバーと精霊が揃い踏みだった。


「私を呼び出したのは、【聖王】自らです。それで、僭越ながら、一つ、お尋ねしたい事が御座いますが、お伺いしても構いませんか?」

私は、部屋に入って、開口一番にそう聞いた。

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