第Ⅰ章 第28話

「アオトさん、ありがとうございます。でも、アオトさんにはまだ、及びませんよ」

ウィンはそう謙遜した。「僕と比べる必要は無いよ」

アオトはウィンにそう言った。


すると「ねぇ、沙織。後で生徒会長と戦うけど、その前に私と手合わせ願えないかしら?」

私とアオトとウィンの元に来たのは、生徒会の黒瀬紫だ。


「ちょっ、ちょっと待って、紫ちゃん。幾ら何でもそれは無理でしょう・・・?それに沙織ちゃんが受けて立つ訳・・・」

光がそう言い終わる前に「私は別に構わないけれど?」

私は紫に答えた。


すると「お姉様!?何を言うんですか・・・」

ウィンが呆れながらそう答えた。


「ウィン、諦めなよ。こうなった沙織は、梃子でも動かないのは、僕と君が一番知っているだろう?」

ウィンが呆れる横でアオトがそう言った。


「ですが・・・アオトさん・・・お姉様に何か有ったらどうするんですか!?」

「そんな事にはさせないさ。僕が沙織に怪我をさせた事なんて、今までで一度たりとも無いよ」

ウィンとアオトはそう話していた。


「はぁ、分かりましたよ。お姉様が引かないのは知っていますから・・・。アオトさん、お姉様に怪我なんてさせないで下さいね」

「分かっているよ、ウィン。君は昔から心配性だね」

こっちの二人は話し合いが済んだらしい。

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