第Ⅰ章 第30話
すると「え?如何いう事?ウィンちゃん?」
外で私と紫の手合わせを見ていた光は私のもう一人の精霊・ウィンに聞いた。
「ああ。もしかして、昔と違って、新しい技を覚えたから知らないですよね。本来、氷属性の精霊はそもそも数も多くないですが、その中でもアオトさんは桁外れの魔力量を持っているんです。普通、氷属性の精霊の氷は、脆くて直ぐに砕けてしまうものなんです。
・・・でも、アオトさんの氷は、他の氷の精霊の氷と違い、絶対零度の氷なんです。だから、普通の氷よりも強固で頑丈な氷なんですよ。
だから、例外はありますが、それ以外は、アオトさんの氷は絶対に砕く事は出来ないんですよ」
ウィンはそう答えた。
このフェアリネス世界ではそもそも、極端に氷属性の精霊は希少である。その中でも、最強の精霊はアオトだ。
アオトの氷は他の氷属性の精霊でも限られた条件以外は効く事は無いのだ。
「だから、紫ちゃんの攻撃を喰らっても、アオト君が展開した氷の城塞は砕けないのね」
光は一人納得した様にそう言った。
アオトの氷が砕かれる例外は聖剣と煉獄の炎が相手ならば砕かれてしまう代物。
「じゃあ、留めと行こうかな。・・・水の牢獄よ、我が敵を閉じ込める戒めとなれ【アクアプリズン】」
アオトの氷の城塞で相手の目を引き、アオトの本来の属性の水の牢獄を展開をした。
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