第Ⅰ章 第18話
私達は校舎に向かった。「そうね。もう、噂話の渦中にいるだろうね・・・。まぁ、それは避けられないだろうけれど・・・」
私はそう言うしかなかった。「・・・そっか」
桜もそう答えるしか無かった。
私達が教室に入ると案の定、昨日の出来事がもう、噂に尾が着いたのか、私が教室に入って来た瞬間、皆こそこそと噂話を始めた。別に、昨日の時点で、こうなる事位、私も理解していたので、無視を決め込んだ。
だけど「聞いた?昨日、姫宮さんが精霊を行使したって話」とか「あ・・・それ聞いた。あの姫宮さんが・・・」などと、わざとなのか私の耳に入る位の声で話していた。
すると「あ・・・あの・・・姫宮さん・・・。昨日は助けてくれてありがとうございます」
そう声を掛けて来たのは、昨日、闇の精霊騎士から私とアオトが助けた藤堂楓と言う生徒と、彼女の精霊・桜花が私の席に姿を見せた。
「あ・・・おはようございます、藤堂さん。貴女も同じクラスだったんだね」
私は藤堂さんにそう挨拶を返した。
「はい。あ・・・同じクラスだし、敬語もさん付けもなしで良いよ。楓て呼んで」
藤堂さんはそう提案して来た。
「そう・・・。なら、私も沙織で良いよ」
私はそう答えた。
「沙織様、昨日は本当にありがとうございました。ウィン様を寄越してくれなければ私はあのまま死んで居ました」
桜花と呼ばれた精霊は私にそう言った。
「ううん・・。お礼ならウィンにしてあげて・・・実際、桜花を助けたのはウィンだから」
私は、桜花にそう話した。
「それもそうですね。ウィン様、私をお助け下さって本当にありがとうございました」
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