第Ⅰ章 第17話
「そうですね」
そう答えたのは、優音のもう一人の精霊であるヤミだった。
私と優音は、寮を出た。「おはよう、沙織、優音君」
寮を出た私達を出迎えたのは、雪代桜とアカネさん、緋村沙羅とアクアさんだった。「おはよう、桜、沙羅」
私は二人にそう挨拶を返した。
「そういえば、昨日、大丈夫だったの?あの後」
桜は、さっきの優音と同じ事を私に聞いた。
だが、桜がそう聞いたのは無理も無いだろう。何故なら、普段ならこの学園は平穏そのものだ。だが、昨日は、その平穏が脅かされたのだ。
私は諦めて、桜と沙羅に事の仔細を説明した。
「え!?それ、本当なの?沙織」
私が説明した事が信じられないとでも言う様に桜は私に聞き返した。
「・・・残念だけど、嘘じゃないわ。勿論、襲われてた精霊は、ウィンの治癒魔法で治したけどね」
桜の問いにそう答えた。
因みに、ウィンがこのフェアリネスでロスト(消失)魔法認定を受けている治癒魔法の唯一の使い手だと言う事は、桜、沙羅、優音とその精霊達の間では周知の事実でもある。
それに、フェアリネスでこの魔法を使う精霊が少なくなっている事が、治癒魔法がロスト(消失)魔法扱いを受けている原因である。
「でも、正当防衛と言えど精霊の行使はこの学園では違反なんだよね?即、生徒会長にバレたなら厄介だね」
そう言ったのは沙羅だ。
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