第Ⅰ章 第16話

「まぁ、大丈夫じゃないな。あの後、闇の精霊騎士達がこの学園に侵入した。それで、精霊を行使して、生徒会長に直ぐにバレた」

私は素直に昨日の放課後の出来事を手短に話した。


「それは本当なのですか?この学園に闇の精霊騎士達が侵入した事は?」

そう聞いたのは、何時もは大人しくクールである優音の精霊・アカツキ。


「ああ・・・。アカツキの言った事は事実だ。僕が沙織と共に、闇の精霊騎士を凍らせたからな・・・。まぁ、お陰で、生徒会に眼を付けられたのは事実だ。例え、闇の精霊騎士達の排除という名目と言えど、精霊の行使は、この学園では禁じられているからな・・・。


今日は余計な噂の的になるのは避けられないけれどな・・・」

アオトはそう答えた。


「それで、闇の精霊騎士がこの学園に入った目的は明らかに?」

アカツキは再度聞いた。「いいや、それは分からない・・・。だが、宮家の人間の暗殺の目的と言う線も捨てきれない・・・。なんせ、奴らは沙織の姉を・・・僕とウィンの元の契約者を殺した事実がある・・・が、これはあくまで仮説の域だ。本当の目的が如何あれ、排除する事に変わりは無いのが事実だ」

アオトは再度そう言った。


「そうですか・・・。他の宮家の人間が心配になりますね・・・」

そう呟いたのもアカツキだ。


「まぁ、彼等にも、優音の様な守護者が居る。何か有れば、その精霊が高等部まで来るだろう」

アオトは尚も冷静に答えた。

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