第Ⅰ章 第35話

私はウィンの問いにそう答えた。「すみません・・・。お姉様」

それでも尚、ウィンは不安を拭えていないらしい。


「ウィン・・・貴女の心配は分かるわ。でも・・・私は、姉さんと違って、そんなにやわじゃ無いの。それに私には、貴女とアオトが居てくれる。それだけで良いのよ。あの技を使う事なんてないから平気。ウィン、優音と共に、私を信じて待っていて。


それにそんな簡単に負ける積りなんて1ミリも無いから」

私はウィンの頭を撫でながらそう言った。


すると「ウィン、大丈夫。僕も居る。それに、沙織に怪我はさせないから安心して」

アオトは、子供をあやす様にウィンにそう言った。「・・・分かりました。アオトさん、お姉様の事、お願い致します」

ウィンはそう言い、移動した。


「じゃあ、やろうか。カリバーン」

アーサーは横に控えたカリバーンにそう言った。「承知致しました。《聖なる光よ、我が名において真の姿を示さん》」

カリバーンさんは、そう詠唱し、聖剣に姿を変えた。


「アオト、お願い」

私は、アオトにそう言った。


「ああ・・・。《双蒼なる水よ、我が名において真の姿を示さん》」

アオトは何時もの詠唱では無い詠唱で、アオトは、いつもの2刀の剣ではなく一刀の剣の姿になった。


「君の精霊は何時も二刀だけれど、一刀にも姿を変えられるのか」

アーサーは驚いた。


「驚くのはこれだけだと思わない事です。ここからが、私とアオトの本気です」

私はそう言った。

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