第Ⅰ章 第34話
「・・・そう言う事ですか・・・。さ・・・姫宮さんが所属するのなら、俺もその誘いは受けます」
優音はアーサーの誘いを受け入れた。
優音がアーサー誘いを受けた一番の理由は私だ。優音は、姫宮の人間である私の守護者である。だから、優音がその誘いを受けた理由の核心は私である。
「じゃあ、早速だけど、移動しようか。これから、姫宮さんの実力を試させて貰うよ」
私は昼間の後にきっとアーサーが放課後に時間を取らせたのはただの勧誘で終わる筈がない。新しく入る私の実力を試そうとしているのだろう。そのうち、優音も同じ目にあうだろうと心の中で確信したが、それは口にしなかった。
生徒会室にいる全員と私と優音は移動した。
そこは、広い部屋だった。ここは、対人訓練が出来る部屋だ。体育館と作りは似ているが、この部屋は、模擬戦闘シュミレーション室だ。
中は、他の生徒が戦闘を見る事が出来る部屋もある。
戦闘シュミレーション部屋には私とアーサーしかいない。他のメンバーや優音は見学と魔法に巻き込まれない様に移動していた。
「じゃあ、本気でおいで、姫宮さん」
アーサーは、自分が強いと確信しているのか、上から目線だ。それは事実だ。
「お姉様、本気といっても、あの技だけは・・・」
心配になり、私にそう助言したのは、ウィンだ。
「大丈夫。本気と言っても氷炎地獄【インフェルノ】だけは使わないわ。そんな事したら、私の魂が無駄に消費されるのよ?それに、この学園内で使えば、優音も精霊と言えどウィンも氷炎地獄【インフェルノ】の被害に巻き込む事になるのよ?そんな事できないでしょう」
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