第Ⅰ章 第9話
「そんな事無いよ、桜も沙羅も私の事、買い被りすぎだよ?会長に勝てる実力なんて、無いよ」
私はそう謙遜した。「あるよ。聖王に勝てると思うけれど」
沙羅はそう答えた。「そんな事無いよ・・・」
私はそう答えた。
それから授業が終わり、校舎から、寮に何時ものメンバーで戻ろうとしたが・・・「誰か、誰か助けて!」
突然、校舎の方から助けを求める声が聞こえた。「今の中庭から聞こえたよね?」
沙羅はそう言った。
「ごめん、皆は先に戻ってて、私は様子を見てくるから・・・行こう、アオト、ウィン」
私はそう言い、走り出そうとした。「待って、僕も・・・」
その言葉を発したのは優音だった。「駄目。貴方は先に帰ってて」
私は、優音を窘めた。
「待って、沙織。学園内での不要な精霊の行使は学園の規則で定められているのよ!?分かっているの?」
そう言ったのは沙羅だった。
沙羅の言う通り、このフェアリネス学園の規則として、不必要な戦闘以外での学園内での精霊の武器化を固く禁じると言う項目がある。これを破れば、生徒会に眼を付けられるのだ。
「分かってる・・・。でも・・・ごめん」
私は沙羅の静止を振り切り、声がした方に一目散に走っていた。
声の方に向かうとそこには一人の生徒を取り巻く闇の精霊騎士が居た。一人の女子生徒の傍には、闇の精霊騎士に斬られたのか、彼女の精霊が弱っていた。
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