第16話 本当の名前
漫画を描こう 16
再びリボーンが斜面を下り出し、フリーウエイへと出る。
銀色のスポーツカーが整備された道を真っ直ぐに走る。
「奴らは、もう追って来ないのか?」
おさむの問いかけに二葉が答える、
「いいえ、最初に狙ってきた奴、多分私たちを追跡してると思うわ。でも大丈夫、あの車の性能では追い付けない」
「じゃ、このまま奴らのアジトへ?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「どう言うことだ?」
「見たでしょ、私たちの新しいアジト」
「ああ、戦闘機が飛んで来たな。と言うことは?」
「ええ、奴らはまだまだ戦闘機も持っているし、ガンシップだってあの1機だけじゃない、それにさっきは装甲車だったけれど、戦車まで持っているわ」
「よくもまぁ、こんなジャガー1台で歯向かおうなんて思ったもんだ」
「おさむ、本当に以前のことを忘れてしまったみたいね?」
「あ、ああ、・・・」
「思い出す時が来るまで教えてあげる。私達は彼ら以上の戦闘能力があった。でも、この世界の支配者が突然政治を行わなくなった。その時に奴らが頭角を表してきた。私達は支配者が帰って来るのを待ったわ。その人なら戦わずして奴らを押さえつけることができる」
「でも、出来なかった?」
「そう、出来なかったんじゃなくて、帰って来てくれなかった」
「そして、君たち、いや、我々は自ら戦うことに決めた?」
「ええ、平和的解決を望めない奴らなら戦うしかない」
「奴の名は、デスパイア」
「おさむ? 思い出してきたの?」
「いや、その名前が、ふと頭に浮かんだだけだ」
「そう、それでも良いわ。だって私、貴方のこと、本当は違う、いえ、今の言葉で貴方が本物の、おさむ、だって信じられるから」
山間部を抜ける舗装された道路、山並みの向こうに大きな基地のようなものが見え隠れし始めた。
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