第36話 林間を抜ければ
漫画を描こう 36
林間を走っているマシーン2台。
後方を走っているおさむの耳を通り過ぎるように聞こえた声がある。
「総長に会えるさ」
胸騒ぎがする。
「ドウカティ、お前の声か?」
スロットルを回してもいないのに防音マシーン・ドウカティ・モンスターが唸り声のようにエンジン音をあげる。
「おさむ、大丈夫か?」
ヘッドセットマイクのイヤホンからデイトナの声が聞こえる。
一瞬だが速度が落ちたマシーン・ドウカティの唸り声のようなエンジン音が聞こえて、デイトナが気遣い、おさむに声を掛け、その言葉におさむが答える、
「今、何かの音が聞こえたんだが、お前は聞こえなかったか?」
「ああ、さっきは聞こえなかった。だが、今は聞こえる」
「誰かの声か?」
「声? そんな可愛いもんじゃない。上空だ」
「空?」
そう一人で言うと、おさむは耳を澄まし、更に続ける、
「ヘリの音だ」
「来やがったか、って事は?」
「ドウカティが・・・」
「おさむさん、今は考えるな。ドウカティの為にも俺たちはデスパイアに一泡食わせてやらなきゃならない」
上空からガンシップが2台のマシーンを追っているが、林間で見え隠れするマシーンに狙いを定められないでいる。
「おさむさん、今は良いが、林間を抜ければハイウェイだ。必ず狙ってくる」
「分かっている」
「それにしても空に黒煙が上がってないが」
「ああ、多分、基地では白兵線が始まっているんだ」
「さぁ。もうすぐハイウェイだ、最高速度で走り抜けるぜ」
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