第17話 歓迎されし者
漫画を描こう 17
車が大きな門の前で停まる。
「ここまでは無事に来れたわね」
「決して無事だったとは思えないが、敵の門の前で車を横付けできることが信じられない」
「多分、今までの私たちの応戦を見て敵わないと思ったんじゃないかしら?」
「嘘だろ? こんな要塞みたいな基地に住んでる奴らがか?」
「とにかく呼び鈴を鳴らしましょう」
「礼儀正しいのは好きだが」
二葉は車から降りて呼び鈴を鳴らす。
するとインターホンから声がする。
「よくここまで来れたものだ。敵ながら称賛に値するよ。こちらではお前たちが誰だか検討はついているが、名乗ってもらおう」
「ええ、良いわ。私はトーマス・ウーマン・ヴィス・キャプテン、樋口二葉。隣はリーダー、コマンドネーム、おさむ、これで良い?」
「やっぱりお前たちか? 入れ」
インターホンから流れる声を聞いて、おさむが呆れたように言う、
「こんな程度で入れるのか?」
「歓迎してくれてるんじゃない?」
扉が開くと十人余りの武装兵が出てきて、即座に二人を囲むと入念なボディチェックの後ロープで縛られ連行されて行く。
「確かに大歓迎だ」
おさむが言う。
「喋るな、おかしな動きもするな、サインだと分かるとそのまま地下牢だ」
「あら隊長さん、どちらにしても地下牢行きじゃありませんこと」
「誰か、この女を黙れせろ」
その言葉を聞いて一人の兵士が二葉の前に立ち、頬を平手打ちした。
二葉の唇から一筋の血が流れる。
そして、その兵士は更に二葉の襟首を掴みねじ上げるが、
「それくらいで良い、行くぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます