第29話 道案内
漫画を描こう 29
おさむは装甲車に乗り込むと、再びエンジンを掛ける。
「奴らは、この道を真っ直ぐに走り去った。そこまでは知っている。だが、そこからどうする?」
おさむは一人声を漏らすと、装甲車を走らせた。
爆煙は背面の基地で未だにモウモウと上がっている。
このハイウェイの両側は草木が風に靡き、こんなにも美しい世界が広がっているというのに。
しばらく走っていると、後ろから音もなく単車が追ってくるのが分かる。
「防音族か?」
おさむは装甲車を道路脇に寄せる。
果たしてバイクは装甲車に横付けしライダーがヘルメットを脱ぎ、装甲車から出て来た相手に笑顔を作る。
「おさむ、さん、ですね?」
「そうだが」
「待ってました。案内します」
「ありがたいが、それにしてもこの装甲車が敵のものだったらどうするつもりだったんだ?」
「総長が言ってたんです、後ろから追いかけてくる戦車だか装甲車だかが来たら、おさむ兄貴だから案内しろって」
「龍之介がか?」
「はい、兄貴は、おさむさんは、絶対に俺たちを迎えに来るって」
「分かったよ、じゃ、早速だが案内してくれるか?」
「はいよ、もしも奴らが角を曲がったら、そこにも族の単車が一台止まってるから、今度はそいつが案内してくれる。じゃ行くぜ、総長の兄貴」
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