第22話 チェック
漫画を描こう 22
二葉が小銃を構えながらゆっくりと部屋の中へ入って行く。
「デスパイア、年貢の納め時、って言うやつかしら?」
「どうやって独房から抜け出せたのかと聞いている」
「今更、答える必要があるのかしら?」
「なるほど、どうもこの基地の中にネズミが紛れ込んでいるようだ」
おさむが小銃を構えたままの姿勢で立ち上がる。
「デスパイア、両手を上げて付いて来てもらおう」
「この戦況の中でか?」
「戦いは我々の勝利という形で終わる」
その時、デスパイアの部屋の窓の外を3機の戦闘機が窓を震わせるような勢いで旋回する。
「しかしね、こちらには地対空ミサイルもあることを忘れてもらいたくないがね」
その言葉を受けて二葉が答える、
「残念だけど、それももう直ぐ使えなくなるわ。戦車が5台、こちらへ向かっている最中よ。あなた方が出発させた装甲車も既に破壊されているわ」
「これは、これは、ご親切な戦況報告に感謝しなければいけないようだ」
「何処までいっても分からない人ね? さっさと手を上げなさい。それとも白の死装束に着替えるまで待ってくれと言いたいのかしら」
「どうも分かっていないのは君達のようだ。籠の鳥さん」
デスパイアがそう言うと、壁の隠し扉から機関銃を持った親衛隊の兵士が三人出て来る。
「この騒ぎを知った他の親衛隊の兵士達が戦場から戻ってくるだろう。君達二人は大切な人質となるんだ。それとも銃殺刑をお望みかな?」
そして廊下でこちらへ向かってくる騒がしい靴音がする。
「チェック・メイト、だ」
薄ら笑いを浮かべてデスパイアが勝ち誇ったように言った、
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