ダンジョン婚活有限会社『マリッジ・アリア』にて

辺境の地からはるばる王都へ、モンスターテイマーの国家資格を取りに試験会場を訪れた青年ゲイルは、審査員から指定されたモンスターを一匹もテイム（調教）できず、落選してしまう。
「故郷のみんなに顔向けできねえなぁ……」
失意を抱えて街をぶらついていると、そこかしこに貼られた「探し人」と書かれた紙を大量に発見する。最後に人助けしようと思い、依頼人に会うゲイル。しかし、探し人というのは「運命の人」という意味であり、依頼人は婚活サポートを生業とする会社の社長で、張り紙はただの店の宣伝だったと言う。これも何かの縁だと、社長はゲイルをバイト雇用。縁結びを謳う怪しい組織だけど、なんとか食い扶持を得られて一安心するゲイル。カップルを成立させたら正社員雇用するとの約束もこぎつけて、ゲイルは隠れた才能と偏狭の地で培…続きを読む