概要
どうしてこんなことをしたのか問うアオシマに、作家の我那覇キヨは動機を語る。
「物語」を巡り、二転三転するストーリー!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!罪深く斬新 ペンネームのトリックが効いていると思う🤔
盗作の告白から始まるミステリー📘
古き良きミステリーがはじまると思い読み進めましたが、良い意味で裏切りがあります。それが罪深く斬新。
作中のペンネームが作者と同じ。ここにセンスを感じました。
『物語』が与える影響。物を書きたいと願う者は身にしみていると思う。私も自分の思考は今まで読んだものによってつくられている。書きたいという衝動もしかり。
難しい題材を一つの物語としてまとめ上げている技量はさすがだと思います。後半の力強い語り口調にも引き込まれました。
最後に謎が解けたとき、最初から物語を思い起こして、遅れてくる納得感が最高です。
最後まで読んでペンネームがなぜ同じか捉えて完了と解釈しま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!"物語"が与える影響について考えさせられる作品
まずは、よくこのテーマについて切り込んだなと、作者様の勇気、そしてそれを完結させた実力に賞賛をお送りしたいです。
様々な文献を丁寧にお調べになったのだとよく分かります。そして、得られた様々な情報を緻密に盛り込み構成された世界は、作品の中盤になってから私たち読者に牙を剥き始めます。
物語の在り方によって変わるふたつの世界。読み進めるごとに募る違和感。
そして、「私が読んでいるコレは、一体何なのだろう」そう認識した時、物語は物語を飛び出してリアルになる。
私を私たらしめているのは何か。
物語とは何か。
読書好きとして、また執筆者として深く考えさせられる作品でした。
純文学がお好きな方には…続きを読む - ★★★ Excellent!!!さて、一体全体《亡霊》とは誰のことだったのか?
パワーがある。
キャッチコピーからして「え?」と引っ掛かり(褒めていますよ!)を感じ、読み進めていきます。
さまざまなひとの視点を挟みながら、
時には作中作の引用や難しい用語を挟みながら進んでいきます。
読んでる時はずっと《彼ら》の手のひらの上で踊らされている感覚です!個人的にめちゃくちゃ楽しい!
どいつもこいつも信頼できない語り手がすぎる……!
内容に関してはご一読ください。としか表現できませんが、読了後、目次のタイトルを眺めているだけでかなり楽しいです。
個人的に作り込みに惚れ惚れしていまいます。
「我那覇キヨ」という名前そのものも大変良い演出だなと噛み締めております。
素敵な物…続きを読む - ★★★ Excellent!!!全話ぶっ通して読ませていただきました
読了後、作中に出てくる単語を「まさかな」と思って調べてみたら愕然としました。ジョジョ風に言えば「覚悟決まってるな」と思いました。登場人物の名前に自身のペンネームを預けていることも含めて。自分にこれが出来るかと言われたらかなり難色を示さざるを得ないなとは思いつつ、物語を紡ぐ人間としては倣うべき姿勢なのだとも思いつつ。云々。
また、ここまで当事者として考えさせられる内容になっているのは、作中で示される論理的筋道の整合性が正確に取れていることは勿論、作中での歴史が精緻な筆致で追われており、結果この展開をフィクションとして切り離すに切り離せない「スゴ味」が作品に付帯されているからなのだなと感じました…続きを読む