心星 文琴

ブレたり、回り道をしたり、周りと合わせてみたり。 時々、自分の中の芯がどこにあるのだろうと感じることがある。 本小説はその疑問を肯定し、それを原動力に変え、前に進む導を与えてくれ…続きを読む

ロマンス、アバンチュール、メロドラマ。 そんなハイカラな横文字が酷く似合うのがこの物語。 かつてどこかの映画館で上映されていたのかもしれないと思わされたほど、この作品の時代観は洗練…続きを読む

童話のように語られる物語の結末は、それを聞いて思い描くようなハッピーエンドではなく、少し切ない、まるでシャボン玉のようにふわりと空を揺蕩って、すぐに壊れて消えてしまいそうな儚さを湛…続きを読む

本作を紹介する上で、綺麗という言葉よりも綺麗な表現があるなら教えていただきたいです。 本作の特筆すべきところはその文の秀麗さによって描かれる夏の澄み渡った色彩です。 夏はたくさん…続きを読む

空の色は見る人の分だけ広がっている、という言葉が最も相応しいのかなと思います。 世界の見え方はそれぞれで、それをどう思うのか、好きか嫌いかすらもそれぞれです。 ただ、そのそれぞれが…続きを読む

言葉の使い方がとても綺麗だと感じます。 最初の一文から作品としてのレベルが高いなと思わされました。すごいと思います。 独特の視点から繰り広げられる本作のストーリーですが、その抽象的…続きを読む

綺麗事ばかりじゃない人間模様の描き方が素晴らしいなと思います。 また、本作から見えてくる情景の、特に会話を通じて分かるものの作り方が上手いなと、セリフの言い回しや、繋げ方がとてもい…続きを読む

現実における、正義や善の心、それは人それぞれです。だからこそ争いが起きるわけで。 この物語は、主人公、探偵、犯人、どの人物をとってもその人なりの正しさをはっきりと持っていることが伺…続きを読む

途中まで読みましたが、この作品のダークな世界観にとても引き込まれました。なかなかここまで世界を構築するというのも難しい話ではありますが、その点を完璧に達成していて素晴らしいと思いま…続きを読む

異世界ファンタジー、と一口にいえどその形態は様々です。本作はRPG世界に転送された主人公がそこの世界の住民の魂として二度目の人生を始めるというところから始まります。 超常現象と、そ…続きを読む

アイデアがとても面白いですね。 およそ700文字というとても短い分量でこれほど情景が浮かんでくる作品を描くことはなかなか難しいことだと思います。 手軽に読めて、面白い！ この一言に…続きを読む

自分には何もないと思っている主人公。おそらく人生というものに絶望しかけていて、生きる気力も死ぬ気力も残されていない状況の中で、ただ自分という居心地の悪い殻の中で日々を過ごしている。…続きを読む

どの文をとっても無駄のない、洗練された文章であると感じます。 地の文をメインに構成されたこの文章の魅力は、その中にほんの少し透けて見える作者の日常を見通す感性の鋭さだと思います。 …続きを読む

文章から漂ってくる、どこか浮ついていて、ふわふわした匂いがとても心地よかったです。読んでいて心が満たされる感じが、ホットケーキを食べている時のような感覚にどこか似ていて、とてもほか…続きを読む

強キャラアーリアの存在感が圧倒的でした。エルフという特異性をうまく使って、彼女の魅力にしてしまえるその構成力に息を飲みました。 ダンジョン配信というジャンルの小説をあまり読むことは…続きを読む

幻想的なものと怖い話というのはとても親和性が高いんですよね。要するに自分が考えた状況から明らかに逸脱したものに対して、人は恐怖するわけです。 本作ではそう言ったところがクローズアッ…続きを読む

柔らかい文体が、描かれる世界観にとてもマッチしていて、その世界の透明度をさらに高めているような印象を受けました。とても素晴らしいと思います。さらに、その中で描かれる人間関係の形や、…続きを読む

会話というものの中から少しずつ見えてくる世界観のようなものがとても鮮明で、こういう切り口から物語を描ける人は稀有だなと思いました。少なくとも私は得意ではないので、すごいなと思います…続きを読む

主人公の過去の因縁や、どうしてそれをしなくてはならないのか。まあ簡単にいうとやるべきことに筋が通っている、ということですが、そういう描写ができていてとてもいいなと思いました。 物語…続きを読む

女性恐怖症の早乙女くんと、彼に関わる個性的な女の子たちとの日々がとても面白いと思いましたが、それよりも、彼の内面描写がとても豊かなのと、何よりもすごいと思ったのは、語らずとも描写さ…続きを読む

神を殺し、人の時代を到来させた男。 それほどの偉業を成し遂げたのにも関わらず、彼は片田舎の道場で三十年、誰の目に触れることなくゆっくりと暮らしていた。 そんな彼の二度目の冒険。 語…続きを読む

とある事情から会社を追い出された主人公は、ひょんなことから同じ会社の女性社員と同じ屋根の下で生活することになる、というストーリーです。 この手の小説って主人公の鈍感さがかえって良か…続きを読む

重厚な世界観と、それをさらに深く味わうことのできる文体のチョイス、とてもリアルで、少しグロテスクな戦闘シーンに思わずハラハラとさせられました。 戦争で使われた弾薬の例え話を引用する…続きを読む

場にいる人間の中で最も強いレベルを持つ者、のさらにレベルを5上昇させる能力、というシンプルかつあまりに強すぎる能力と、みんなから慕われる「おっさん」を上手くマッチさせていると思いま…続きを読む

現代においてごく一般的に問題視されている家庭内環境についての描写がとても上手いなと感じました。 どこか風変わりで、飄々と確信を突く言葉の数々。それは少しずつ、しかし確実に患者の心の…続きを読む

巧みな心情描写と、短編ながらも濃密なストーリーに感情を露わにせずにはいられませんでした。 病と戦うということは、決して一人で戦っているわけではない。病人がいて、その人にも家族がいて…続きを読む

偽装カップルというテーマで描かれていて、二人の心情の近いようで少し遠い、でもやっぱり近いのか？と思わせてくれるような関係性が魅力です。 これから先の二人の関係がどうなっていくのか、…続きを読む

竪琴を奏でると、死者の声が聞こえる。という、斬新かつ優しい設定に心を動かされました。 その繊細な文体で描かれる文章はまさに竪琴の旋律のようで、私の心の琴線に触れ、心が凪ぎました。 …続きを読む

曾祖母と自分とが重なり合う描写がとても綺麗で、すごくロマンティックだと思いました。こういった文章を描くには、地の文の秀麗さがとても重要になってくるものと私は思うのですが、この作品は…続きを読む

タイトルの通りです。 少し（愛が）重い幼馴染と、バスケ部の主人公の日常を描いた青春小説です。 これぞ青春って感じがします。 主人公の内心のバクバク感も少し慣れてない感が逆に幼さや青…続きを読む

文体からにじみ出る優しさに心打たれました。登場人物全員がどこかつかみどころがなくて、それでいて綺麗な心で人を思いやれる。とても優しい物語だなと思いました。 あと個人的に春宮みたいな…続きを読む

初めの一文から作品の世界観に呑まれました。 それからの怒涛の展開に脳を追いつかせるのにかなり頭を使いましたが、ところどころに描写される夏の香りが妙に心地よくて、 その調和が美しいと…続きを読む

独特な文体から描かれる個性的な登場人物たちが繰り広げるバトルと、何もない自分を憂いている主人公の少しいきすぎ（？）な自己肯定感の低さがうまくマッチしていてとても読んでいて楽しい作品…続きを読む

青春的アツさを見せていただきました。 レース小説を描くとき、必ず直面するであろう様々な困難を乗り越えようとする主人公たちの姿には心を打たれます。 部活動を真剣に取り組んだ人にこそ読…続きを読む

人の生き死に。そういうものに携わるものを描こうとすると避けて通れないジレンマと戦う主人公の姿が鮮明に映りました。 とても難しい問題だと思います。だからこそ、アリアがこの先どのように…続きを読む

話の流れを作るのがとてもお上手だなと感じました。ストーリーにちゃんとした筋道が立てられていて、さくさくと読むことができてとても心地よかったです。 ノワールという特異な少女の描き方が…続きを読む

主人公の内面描写の造り込みがとても精巧で素晴らしいと思いました。 現世での主人公の特性を異世界に落とし込んでいる点でもうまさが際立ちます。とても素晴らしいと思いました。 これからホ…続きを読む

異世界転生モノといえば、そのあたりの知識に明るくない私は、何となくステレオタイプ的異世界（中世ヨーロッパ的建造物など）を思い浮かべるのですが、本作は超現実的世界。「アカツキ」に転生…続きを読む

文体から滲み出る熱量の強さに当てられてしまいました。 家族、というものの定義に捉われることなく、それぞれの等身大の思いがよく表現されていて、とても読み応えがありました。 読んでいて…続きを読む

貴方の文章に出会えたことに心から感謝したいです。 個人的な思い入れで過去に触れて、手に取ったのがあなたの物語でした。 廃線、という一つのテーマからここまで文章を繋げられるあなたの文…続きを読む

主人公が体験してきた辛さというものが非常にリアルに描かれていて、自分のことではないはずなのにまるで自分が体験しているような臨場感と、後輩少女と過ごす甘々な日常をセットで楽しむことが…続きを読む

文章力はさることながら、一つの言葉で全く別の意味を示唆することができ、それを自然にやってのける貴方の文章力が羨ましくなりました。 彼岸花の儚さと、雪に染まった森を歩く静けさ。 文章…続きを読む

夏の清涼感もさることながら、その中に渦巻くほんの少しの幻のような記憶。それらが重なって重なって、不思議な逢瀬に迷い込む…そういう儚さがとても印象に残りました。 というか、書いていて…続きを読む

冗談抜きで今まで読んだどんな作品よりも好きです。 その文章の一つ一つに鮮やかな音が聞こえてきて、表情が移り変わる一挙手一投足に、ただ感嘆のため息しか出すことができませんでした。 物…続きを読む

私も夜が好きです。なんて言うと、あなたは私のことを恋敵だと思うのでしょうか？ 私も夜が好きです。地上を包み込む黒が、私のことを同時に包み込んでくれるし、夜の静かさが私を優しく撫でて…続きを読む

なんて甘酸っぱい青春なのでしょうか！ 肌を刺すような寒さ、タイトル通り、恋をスノードームの中に詰めた様な煌びやかで、それでいて聖なる夜の甘ったるさも程よく表現できていて、とても良い…続きを読む

私にはないアイデアでした。 たった一日と三分だけの夏、それは夏とは言えないのかもしれないけど、心に残る友人達との思い出というものは、やはり正真正銘の夏なのですね。 やはり夏は素晴ら…続きを読む

主人公が感じていた心の悩みは、結果、内面を見てくれない周りの圧力に潰されてしまった。ただ、愛してほしかった。ありのままの自分を、愛してほしかった。そんな悲痛な叫びが聞こえてくるよう…続きを読む