このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(256文字)
この令和の時代、政略結婚のようなものを体験できる方なんてほとんどいないでしょうけど、体験できたからって良き出会いとは限らない。ただ、たった一言。それだけで、決定打になることもある。身近な人の言葉と重なって。文章一つ一つに魅力が詰まった一作でした。
全話読了。「うわ、文章綺麗」 序盤読んだ時点でそう思わされました。 繰り返しになりますが、冗談抜きに文章綺麗です。 熊個人としては、これ普通にプロ級だと読んでて思いました。 お見合いに不安を覚える主人公の心の揺らぎが、本当に良く描けています。 話のまとまりも実に綺麗で、短編のお手本みたいな作りになっています。 や、もう恋愛物好きって方なら、読んどいて損無いと思いますよ。 上手い。 忖度抜きに、文章も物語も話の構造も綺麗。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(409文字)
本作が純文学に当てはまるのか、それとも大衆小説に当てはまるのかすらわからないほど無知な私ですが、国語の教科書に載っていてもおかしくないという感想を率直に抱きました。文章も美しくて、二十歳の女子の心境が繊細に表現されていました。綴られている言葉は落ち着いているんだけれども、その奥では様々な感情が蠢いていて、私の得意ジャンルであるライトノベルには無い表現の奥ゆかしさを味わうことが出来ました。
作者様の感性が光る作品です。うまく言語化できないのがもどかしい……。是非読んでいただきたい。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(186文字)
カクヨムで読んだ恋愛の物語で一番おすすめ。声が聞こえてくるような体温を感じるような主人公、曽祖母との対比、分かり易く次の展開を示して「どうなるのか?」予想させながら心地良い予定調和と穏やかな裏切りがある物語。非常に間口が広い作品で誰だって読んで楽しい。おすすめです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(467文字)
金魚玉を外から見る世界と、中から見る世界。それに一時でも知らない者が満たした息の中、その中に閉じ込められるのはストレスでしかない。 でも何が正しいかは誰にも分からず、入ってみれば意外と快適な場合もある。直感も選択肢の1つくらいに考えてみれぱ、意外と気楽に生きれるかもしれない。
曾祖母と自分とが重なり合う描写がとても綺麗で、すごくロマンティックだと思いました。こういった文章を描くには、地の文の秀麗さがとても重要になってくるものと私は思うのですが、この作品はそういった点で非常に長けているなと感じました。茹だる夏の夜、繋がれる想い。とても妖艶で、綺麗な物語です。
主人公が二十歳でお見合いをするストーリーですが、優しくて素敵な曾祖母の存在に支えられていて応援したくなります。色々な過去があっても曾祖母の「ある一言」がきっかけで前に進むことが出来た主人公には、幸せになってほしいです。そしてこの「ある一言」が読者である我々の心にも深く響くもの。読んだ後、その一言の温かさに包まれていることに‥‥きっと気づくはずです。