このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(147文字)
日常の憂鬱な空気、それと対称的なライヴの躍動感、そして日常から非日常へとちょっとだけ足を踏み入れた主人公の心の動きが繊細にかつ丁寧に描写されていて読み応えのある小説だったと思います!
日常に埋もれた閉塞感と、そこに差し込む一筋の光のような出会いが丁寧に描かれた青春小説。静かで地味な「僕」の視点を通して、北見のまぶしさが際立ち、読者にも変化の兆しが感じられる。言葉数は少ないが、心の動きの描写が巧みで、読後に深い余韻が残る小説です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(180文字)
バンドアーティストの演奏の最初から最後まで歌い続けた友達の歌声を聞いていた主人公の心意気が伝わってきました。そして友達の心が手に取るようにわかる書き方がうまいと思います。最後の友達を誘いたい気持ちに揺れ動く気弱な気持ちにも共感しました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(91文字)
物語の世界に引き込ませる文章力が凄まじく、没頭して読みました。読み終わった後、私の顔も読む前とは全然違う顔だった気がします。頑張れ主人公!
どの文をとっても無駄のない、洗練された文章であると感じます。地の文をメインに構成されたこの文章の魅力は、その中にほんの少し透けて見える作者の日常を見通す感性の鋭さだと思います。一文一文、秀逸な表現を用いており、同じ文筆家として羨望の眼差しを向けたくなります。そして、特に素晴らしいのは日常と非日常の境界線が上手い具合にぼやけていて、それが不思議なほどこの文章に説得力を持たせているところ。これほど解像度の高い物語も、そうないでしょう。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(75文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(253文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(197文字)
「皆振動で出来ている」という言葉があった気がする。どんなものにでも必ず振動があり、それが各々の個性となる。この作品は全体を通して、「振動」がテーマだろう。ライブの楽器やスピーカーの音や歌声、電車の音もあれば、鼓動や脈拍。その中でも、一番主人公を揺らしたのは「またね」という3音の言葉。揺らされることで知る、共振する自分がいる。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(240文字)
さらさらと流れるような文章、奇を衒わないシンプルな表現の中に、登場人物たちの心の奥底が瑞々しく溢れ、キラキラと弾けるようです。文章の流れの速さや表現のシンプルさと、キャラクターたちの年代特有の心の揺れ動きや移り変わりのスピードが絶妙に同期している感じ。その心地よい波動が、読み手を物語の場面へとぐいぐい引き込みます。ストーリー的にもこの先の膨らみを期待させるラストで、魅力的な短編を読んだ満足感を十分に与えてくれる作品です。是非ご一読を!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(256文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(141文字)
真花さんの書く文章は臨場感があり、短編ですが読み応え充分でした。同じ日常に辟易している主人公の「何か変えたい」という漠然とした願いは、共感する方も多いのではないでしょうか?彼は、この振って沸いたイベントで変わることがあるのかを、ぜひ読んで確かめてみてください!