「皆振動で出来ている」という言葉があった気がする。どんなものにでも必ず振動があり、それが各々の個性となる。この作品は全体を通して、「振動」がテーマだろう。ライブの楽器やスピーカーの音や歌声、電車の音もあれば、鼓動や脈拍。その中でも、一番主人公を揺らしたのは「またね」という3音の言葉。揺らされることで知る、共振する自分がいる。
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さらさらと流れるような文章、奇を衒わないシンプルな表現の中に、登場人物たちの心の奥底が瑞々しく溢れ、キラキラと弾けるようです。文章の流れの速さや表現のシンプルさと、キャラクターたちの年代特有の心の揺れ動きや移り変わりのスピードが絶妙に同期している感じ。その心地よい波動が、読み手を物語の場面へとぐいぐい引き込みます。ストーリー的にもこの先の膨らみを期待させるラストで、魅力的な短編を読んだ満足感を十分に与えてくれる作品です。是非ご一読を!
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真花さんの書く文章は臨場感があり、短編ですが読み応え充分でした。同じ日常に辟易している主人公の「何か変えたい」という漠然とした願いは、共感する方も多いのではないでしょうか?彼は、この振って沸いたイベントで変わることがあるのかを、ぜひ読んで確かめてみてください!