世界は日高色に染まる。

作者 占冠 愁

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★★★ Excellent!!!

 作者様の日高線への想いが凄く伝わってくる上に、それでいて物語もこれ以上なく分かりやすくて、文字数に対し手サクサクと読めました。

 4話の『2238D』からの話の流れは特に圧巻で、主人公の気持ちの流れが気持ち良く伝って来ました。

 最終話の動きもとても最高でした。
 最後の展開を若干察しつつも、ついホロッと来てしまう。そんな優しい文章の雰囲気がとても好きでした。

 文章も、哀愁を滲ませつつ、それでいて分かりやすくて、読み始めたら気がついたら読み終わっていた。そんな印象を抱きました。

 今まで、汽車や廃線といった物事に対して、そこまで強い思い入れや気持ちを持ってはいませんでしたが、コレを期に、まずはJR日高線から、そういった事を調べていきたいと強く感じました。

 素晴らしい作品を、ありがとうございました。とても素敵な時間を過ごせました。

★★★ Excellent!!!

なにか、大切なものを棄ててしまったとき。大切なものが、平穏な日常に隠されていたことも知らずに棄ててしまったとき。あれが大切なものだったとは、棄ててから、やっと気づく。

ある程度論理のわきまえた大人なら、もう取り戻せないのだから、考えても仕方のないことだ、と、あきらめる。しかし、あきらめきれないことなんて、この世にはたくさんあるのだ。

レールの上を走る汽車のように実直、いや愚直なまでの文体と展開は、ある意味刹那的な青春を謳歌しているともいえる。

作者のあとがき『執筆後記』も必見。