少ない文量で様々な光景が描かれ、妖しさや美しさが表現されている。まさに言葉遊びというのがふさわしい、不気味さを残す以上の綺麗な作品だった。
月夜、これだけで幻想的な雰囲気ですが情景が美しく描かれており、しかし奇妙さもあって最後は少しゾクゾクするような感覚です。女性は何のためにそこにいるのか、解釈はいくつでもできそうで、読者の想像力を掻き立てるようなストーリーです。
幻想的なものと怖い話というのはとても親和性が高いんですよね。要するに自分が考えた状況から明らかに逸脱したものに対して、人は恐怖するわけです。本作ではそう言ったところがクローズアップされていて、幻想的恐怖、畏怖、そのようなものが描かれています。又、時折状況描写に光るものを感じました。