物語から覚めるための物語

 この物語はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。

「若手編集者のアオシマは、本の発売初日に作家本人から「この作品は盗作です」という告白を受ける。
どうしてこんなことをしたのか問うアオシマに、作家の我那覇キヨは動機を語る。」

 このあらすじの通り、物語はアオシマの視点を中心に語られる。
 劇中の『我那覇キヨ』が描いた物語は盗作だった。
 物語は盗まれたモノだが、そのヒットと読者に与えた感動は本物。
 では本当の作者はどこにいるのか? 我那覇はなぜ盗作をしたのか? アオシマは、出版社はこの事実にどう向き合うのか? 

 それぞれの思惑が絡み合い、二転三転しながら謎解きとサスペンスが進行していきます。
 メタ的な構造を利用して『物語』を『物語』で語る構造が素晴らしいです。
 物語の都合上多くは語れないのですが……この物語はフィクションです。
 だから。安心して良いのです。

 たぶん。おそらく。

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