幾層にも折り重なった真実と小説の融合。ただし、真実とはイコール事実ではない。ある小説と作家を巡るポリティカルかつクリティカルな事件に人々が振り回され、その先に見える真実とは? 世間ではポスト・トゥルース(脱・真実、あるいは真実なき時代)という言葉が盛んに取り上げられているが、この小説はそれらに真正面に挑戦しているように見える。後半、彗星のようにかすめあっていく展開は必読である。
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あまり知られていない社会問題がよく調べられている。始終独特の展開が続き、とぼけているのか真面目なのか判別しがたい、不思議な読み味。こういう世界観は誰でも生み出せるものではないと思います。
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