幾層にも折り重なった真実と小説の融合。ただし、真実とはイコール事実ではない。ある小説と作家を巡るポリティカルかつクリティカルな事件に人々が振り回され、その先に見える真実とは? 世間ではポスト・トゥルース(脱・真実、あるいは真実なき時代)という言葉が盛んに取り上げられているが、この小説はそれらに真正面に挑戦しているように見える。後半、彗星のようにかすめあっていく展開は必読である。
盗作から始まる点が惹かれて読み進めて行きましたが、ある種のどんでん返しに圧倒されました。 それだけではなく、本作に掛けた時間(実はあまり掛けてないのであれば凄すぎる)が膨大で、綿密に調べられたの…続きを読む
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(254文字)
「盗作」という告白から、何が本当なのか、虚構なのか、疑い続けながら、続きが気になって次々と読みました。誰が本当のことを言っているのか、あいつが悪いのか、こいつが正しいのか、なんてことを考えている…続きを読む
あまり知られていない社会問題がよく調べられている。始終独特の展開が続き、とぼけているのか真面目なのか判別しがたい、不思議な読み味。こういう世界観は誰でも生み出せるものではないと思います。
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