"物語"が与える影響について考えさせられる作品

まずは、よくこのテーマについて切り込んだなと、作者様の勇気、そしてそれを完結させた実力に賞賛をお送りしたいです。

様々な文献を丁寧にお調べになったのだとよく分かります。そして、得られた様々な情報を緻密に盛り込み構成された世界は、作品の中盤になってから私たち読者に牙を剥き始めます。

物語の在り方によって変わるふたつの世界。読み進めるごとに募る違和感。
そして、「私が読んでいるコレは、一体何なのだろう」そう認識した時、物語は物語を飛び出してリアルになる。

私を私たらしめているのは何か。
物語とは何か。

読書好きとして、また執筆者として深く考えさせられる作品でした。
純文学がお好きな方には特におすすめできます。ぜひ。

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