一作で何度でも味わえる物語の妙

前半、小説『ファントム・オーダー』を巡る作家と出版社の駆け引きが面白く、続きが読みたくて手が止まらない。
後半、作品が引き起こした悲惨な事件とその謎解きがまた読ませてくる。近未来の日本の姿、外国の風景、文明への考察、物語と小説とは何か、作者の並々ならぬ見識と作品に投影させる手腕に驚かされる。
何よりも、このテーマによくぞ切り込んだ。人によっては受け入れ難い内容かもしれない。袋叩きに遭うかもしれない。でも小説だからこそ表現できる世界がある。作者はそれをよく知っている。
良い作品だった。また読ませてほしい。

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亡霊の注文

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