第45話 株の奪い合い
2025年現在
全財産381兆3000億円
年間配当金8兆6000億円
現金10兆2000億円
まさか、馬鹿にしていた陰謀論のようなことが身近な現実で起きるなんてな。
だけど水面下でアメリカ政府がM&S社をコントロールしようとしているなんて、陰謀論者も気がついていないだろう。
アメリカ政府の資金力とまともに戦えるのは、世界に俺だけだ。
・モリタ
・ガンマ航空
・創始学会
・日本証券取引所グループ
・ユニックスヘルス
・コクコーラ
・マルドナルド
・ユニオンアトランティック
・S&Tグローバル
・ソシエダート・チリ
俺が保有するこれらの株式を売却して、M&S株の購入資金に充てようとも考えた。
だが、そんなことをすれば俺の今後の配当収入が少なくなってしまう。配当収入が少なくなれば今後、M&Sの株を購入できなくなってしまう。
そこで第二の作戦だ。
それは『企業が持つ現金でM&S社の株を買う』というものだ。
保有する株式の中で、ソシエダートチリと創始学会を除けば、俺が筆頭株主だ。
つまり、俺の発言権は会社内で大きな影響力を持っている。俺が「M&Sの株を買え」と企業に要求すればそれを拒否できる人間はいない。
保有する企業はいずれも時価総額、保有現金共に莫大な超巨大企業群だ。
それらの企業の資金力を使って、M&S株を買う!
早速俺は臨時株主総会を開き、モリタが保有する現金6兆円分でM&Sの株を購入した。
続いて、ガンマ航空が1.8兆円分
ユニックスヘルスが5.5兆円分
コクコーラが4.3兆円分
マルドナルドが3.2兆円分
ユニオンアトランティックが3.6兆円分
S&Tグローバルが8.2兆円分
そして俺が10兆円分をそれぞれ購入した。
7社と俺の合計で42.6兆円分の株式を購入した。
だが、それからしばらく経ったある日、アレックスから連絡が入った。
アメリカ政府系ファンドのSWFが、M&S株の3.3%に相当する50兆円分の株式を購入したというものだった。
これにより、SWFが俺を抜いて筆頭株主に躍り出た。
「M&Sの筆頭株主が変わった」
このニュースは世界中を駆け巡った。
さらに、モリタ、ガンマ航空、ユニックスヘルス、コクコーラ、マルドナルド、ユニオンアトランティック、S&Tグローバルといった大企業が大量のM&S株を保有したこと、さらにそれらの企業の筆頭株主が俺であることもニュースになった。
「世界一の巨大企業に何かが起きている」
俺の行動は、世界中から注目を集めた。
だが、この状況はまずい。世界最強国家であるアメリカが大量の国債を発行して、資金を捻出。本気を出してきた。
俺の現金はもう無い。7社の企業にもそれほど余力は残っていない。
来年に持ち越しだ。
このままアメリカが国債を際限なく発行していけば、アレックスと俺に勝ち目はない。
「アレックス、やれるだけやってみたんだけどSWFの資金力の方が上回ってしまう。何か方法ないか?」
「私も個人で買ってみたり、会社の現金で自社株買いもやってる。でも焼け石に水だわ。」
「せめて、他に協力者がいたらな。。」
「協力者??」
「ああ。俺たちの味方になってくれそうな協力者だよ。」
「協力者、、、いるかもしれない!私に任せて!」
するとアレックスはM&Sデバイスを待って、参加人数10億人を超えるデバイス内の全コミュニティに、呼びかけを行った。
「みんな!私はM&SのCEO、アレックスよ。聞いて!みんなの力を貸してほしいの。」
< なんだ?
< おい、アレックスCEOだぞ!
「今、M&Sの株がアメリカ政府系ファンドに買われてる。このままじゃ、会社のコントロールを奪われちゃうの!アメリカ政府は魔法を軍事利用しようとしているわ。」
< マジかよ・・・
< あの噂って本当だったのか?
< CEOのアレックスが言うなら間違いないな
< でも俺たちに何が出来るんだ?
「少しでいい。少しでいいから、株を買ってほしいの。一人一人の力は小さくとも、みんなが株を買うことで大きな力になるわ!アメリカ政府が株を買えなくなるくらい株価を上げてやるのよ!」
< なるほどな
< 俺たちで株を買うぞ!
< でも、CEOの言葉を信じるのか?
< 確かに。株価を上げたいだけだろ!
< そりゃそうだ。CEOなんだからな
< アレックスCEOは金儲けが趣味だもんな!
< こんなやつ信用できねぇよ!
「お願い。。信じて。。」
「アレックス、俺が変わろう。みんな、説明させてほしい。アメリカ政府がM&Sをコントロールしようとしているのは事実だ。だから俺が筆頭株主の企業に、M&Sの株を大量に買い付けさせた。だがそれもそろそろ限界だ。俺の資金も出し尽くした。みんなの力がいる。頼む。」
< 私、あなたにデバイスを恵んでもらったの
< 私も
< 俺もだ
< あんたのおかげで貧困から抜け出せたんだ
< 子どもを学校に通わせられたわ
< いくら感謝しても足りねぇ
< 恩返しさせてほしい
< 日本の投資家もあなたには感謝している
< 日本経済を復活させてくれた
< あなたの言葉なら信じよう
< 今こそ、俺たちが力を合わせる時だ!
< 個人投資家の本気を見せてやる!
「みんな。。ありがとう。」
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