仏陀の主治医・耆婆《ジーヴァガ》

インドは医術の根幹を成していると言われるほど歴史が深い。


そのため、仏陀が存命中にもすでに医者がおり、その主治医を務めていたのが耆婆ジーヴァガである。


耆婆ジーヴァガの出生については諸説ある。


マガダ国の王舎城ラージャグリハの出身であることには間違いないが、出典によって異説が多い。


頻婆娑羅ビンビサーラ王と娼婦の間に生まれた私生児であるとか、頻婆娑羅ビンビサーラ王の甥・無畏アバヤが娼婦の子として捨てられていたのを拾って育てたなど、諸説ある。


ただ、マガダ国の王族に育てられた点は間違いないようである。


耆婆ジーヴァガは頭脳明晰であり、各地の名医を訪ね歩いてはその技術や学識を得て医者となった。


また、頻婆娑羅ビンビサーラ王の王子である阿闍世アジャータシャトルを補佐したともある。


耆婆ジーヴァガ頻婆娑羅ビンビサーラの庶子である場合、阿闍世アジャータシャトルは異母弟にあたる。


その在位中、大臣として数々の助言を行った。


その中でも特に重要なのが、阿闍世アジャータシャトルと仏陀の仲立ちをしたことである。


実は阿闍世アジャータシャトルは父王・頻婆娑羅ビンビサーラを殺害して王位を奪っており、後にこの事を後悔して病に伏せる事があった。


しかし、数多くの名医に見てもらっても治癒せず、大臣であり医者でもある耆婆ジーヴァガもお手上げとなった。


そこで耆婆ジーヴァガ阿闍世アジャータシャトルに仏陀と会う事を勧め、その説法を受けるとたちまち治癒し、悩ませていた頭痛も収まったと言う。


これ以降、阿闍世アジャータシャトルは仏教に深く帰依しました。


仏陀入滅後に開かれた第一回仏典結集の際は、その後援者として教団を助け、後世の仏教伝搬に大きく寄与したほどです。


耆婆ジーヴァガもまた仏教に帰依し、教団の出家者の数多くに施術した。


リウマチが酷かった仏陀、阿那律アヌルッダの失明、阿難陀アーナンダの腫物など、そのことごとくを治したそうです。


まさに最高の名医でもあり、人々は彼を讃えて“医王”と呼んだほどです。


そして、彼の残した神業は現代にも伝わっています。


何を隠そう、タイ古式マッサージの開祖が耆婆ジーヴァガなのです。


耆婆ジーヴァガは体液の循環が滞る事が病の元であると考え、指圧などによってその流れを活発にすることを考え付いた。


伝承では、“瀉血”などの荒療治や聖水を使った徐霊や薬草学等と組みあわせたシャーマニズム的な治療も含まれていたが、現在では指圧などのマッサージ的な要素のみが伝承されたと言うわけである。


初期仏教を最も色濃く受け継いでいるとされるタイ仏教では、まさに耆婆ジーヴァガの技術や思想をそのまま受け継ぎ、それが現代にまで伝わっているというわけです。



仏陀

耆婆ジーヴァガ、曲げ過ぎ! 曲げ過ぎ! 体が妙な方向に捻じれてる!」


耆婆ジーヴァガ

「まだ行ける! まだ行けますから! ストレッチ、ストレッチィィィ!」


仏陀

「オフゥゥゥ!」


耆婆ジーヴァガ

「いい感じですよ! もう一捻り、行ってみましょう!」



こんな感じの事をやっていたんでしょうかね。


と言うか、2600年前に体液の循環についての考察と、それを活用した施術を考え付くとか、本当に名医だったんでしょうね。


仏教の教えと共に、今日も誰を癒している事でしょう。


いや、本気で凄かったですよ、タイ古式マッサージ。自分もやってもらった事ありますけど、最高でした。


皆さんも是非一度受けて見て、仏陀の体を施術していた医王・耆婆ジーヴァガの息吹を感じてみましょう!



バッキバキや!>( -ω-)人  (´・ω・` )<体液が循環してるのが分かる

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