ドキッ♡ 男だらけの『極楽浄土』

『極楽』


何か浮かれて気持ちの良い事があると、つい口から漏れ出てしまう言葉でしょう。


自分も温泉に浸かった時は、ついついこの言葉を放ってしまいます。


では、この『極楽』とは、そもそもなんであるのか?


『極楽』とはサンスクリット語で「スカーヴァティー」と言い、その意味は「幸福のある所」と訳されます。


これは阿弥陀如来あみだにょらい薬師如来やくしにょらいが悟りを開いてから後、十万億土先に築いたとされる浄土のことです。


ちなみに、この場合の“億”は、とてつもない広さ、あるいは長さ的な意味合いで使われています。


阿弥陀如来は世界の西方に『極楽浄土ごくらくじょうど』を、薬師如来は東方に『浄瑠璃浄土じょうるりじょうど』を開きました。


『浄土』とは、仏自らが法楽を受用するためと共に、人々をその国土に引接して化益をほどこし、さとりを開かせるため存在します。


そこには一切の雑念も妨げもなく、修行に打ち込めるというわけです。


しかし、ここは生者は赴けぬ地であり、死して解脱してからでなければ赴くことが出来ません。


国土の浄と不浄は国土に住まう者によって決定されるとされ、心清らかなる者しか住まないこの地は、まさに浄土と言えるでしょう。


そして、『極楽浄土』は衣服や飯食は人々の意のままに得ることができ、寒からず暑からず、気候は調和し、本当に住み心地のよいところである。また、聞こえてくる音声は、常に妙法を説くようなものである。


つまり、一切の“苦”より開放され、修行に専念できる世界と言うわけです。


まさに『極楽』である。


ただし、酒食や性欲などの欲望的・肉体的な「楽」ではなく、常に説法を聞いて諸仏を供養でき、自らも解脱して人々を救済できるという精神的な「楽」に満ちているということです。


なお、そんな世界ですが、読者諸君には残念なお知らせがあります。


なんと、『極楽浄土』には“女”がいません。


理由は阿弥陀如来です。



阿弥陀如来

「異性ってさ、修行の妨げになりますよね? なら、全員“男”にしてしまおう」



そう言って、阿弥陀如来は『極楽浄土』に転生してきた者を、一人の例外もなく男にした上で、この浄土に下ろしてしまうからです。


極端ではありますが、異性の存在は修行の妨げにしかなりませんからね。


阿弥陀さまのこの発想、好き♪


結局、美しい女性がいようとも、この浄土に到達できるような魂は、女にうつつを抜かす輩はいませんので、阿弥陀如来は心配性かもしれません。


肉体よりも精神の“楽”に満たされし場所、それが『極楽』です。


修行に励み、浄土に旅立ちませんか? 


そして、さらなる高みへと昇華しましょう!



男だらけの世界>( -ω-)人  (´・ω・` ) <天女アプサラスはいますけどね

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