ラビリンス／小説・平林たい子　 🪶

勉強不足ですみません……
平林たい子さん
名前しか知りませんでした

まさか　こんなにも
破天荒な生き方をしたとは……
目を白黒させながらも
最後まで読ませていただきました

一度しかない人生
できるものなら　
図太くしたたかに生き抜きたい

平林たい子を中心に据え、この時代という物が、過不足なく描かれた、素晴らしい小説だと思います。
何しろ毎話面白く、これを無料で読めることが、ありがたいです。
平林たい子とは、こんなに純粋で不器用で、でもたくましくて、ゴツゴツした岩の様な人だったのか、と、毎日、驚きあきれています。
彼女を取り巻く様々な人間も、すべてしっかりと体温を持って描かれ、人は皆、いびつな生き物だと言うことを、改めて、そして温かい気持ちで、感じることが出来ます。
それは恐らく、筆者の淡々とした筆致の奥に、深い人間愛が、あるからだと思っています。

悪い意味じゃなく、作者様が淡々と描かないと劇物になり兼ねないほど、主人公の平林たい子の人生は波乱万丈に富んでいます。
郷里の諏訪を飛び出した後、知り合い懇ろになる男達は紛れもなくクズばかりです。おそらく今のご時勢ならもれなく暴露系や私人逮捕系YouTuberか、まとめでインプレッション稼ぎをするXのインフルエンサーになろうとする者たちばかりです。
しかも平林たい子自身が、そうした男達に惹かれてしまうんですよね。そして呆れたり怒ったりしても結局は離れられず元鞘に収まり、そしてまた嘆く、という。
淡々と描かれなければ読み進められません。それ程に人間の業を描き出しています。
そして、次に平林たい子…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（1330文字）