人はみな、いびつな生き物

平林たい子を中心に据え、この時代という物が、過不足なく描かれた、素晴らしい小説だと思います。
何しろ毎話面白く、これを無料で読めることが、ありがたいです。
平林たい子とは、こんなに純粋で不器用で、でもたくましくて、ゴツゴツした岩の様な人だったのか、と、毎日、驚きあきれています。
彼女を取り巻く様々な人間も、すべてしっかりと体温を持って描かれ、人は皆、いびつな生き物だと言うことを、改めて、そして温かい気持ちで、感じることが出来ます。
それは恐らく、筆者の淡々とした筆致の奥に、深い人間愛が、あるからだと思っています。

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