第31話 お泊り会⑧ お姉様の体


 

 

 

 お姉様の体。その体の柔らかさを表現するのにはどんな言葉がいいのだろうか??

 熟れた桃のような柔らかさとはよく言われるけど、そんな言葉では全く柔らかさを表現しきれない。お姉様の体は熟れた桃など目にもないくらいの柔らかさがあった。

 

 その体はほんのり暖かくて、どこかイースト菌で膨らんだパンの種みたいな柔らかさだった。

 

 そんな柔らかい体をボクは全身で感じている。

 お姉様の太ももの上に座った形になって、両手でお姉様がお腹に手を回して抱き着いてくる。

 背中にはお姉様の髪の毛や頭の感触がある。やっぱりボクよりもお姉様の方が背が低いから、こうなるのだろう。と、なるとお姉様は大丈夫なのだろうか??

 ボクよりも小さいはずなのにボクの体を支えてくれている。重たくないだろうか??

 

 「お姉様、大丈夫ですか??重たくないですか??」

 「ええ、全然大丈夫よ。それよりもリュウ君の体ってそんなに硬くないのね。」

 「太っていると……??」

 「そう言うわけじゃないけど、まるで女の子みたいな柔らかくて触り心地が良いわ。ほら、こうやって指でなぞると全身がドクンとなって、触り心地がいいわ。」

 「ちょっと、お姉様止めてください!!背中をなぞらないで!」

 「え~ちょっとくらいいじゃない!!ケチンぼ。」

 「お姉様はなんでそんな冷静なんですか……!?」

 「え~だってリュウ君は可愛い私の義妹なんだよ。だからお姉ちゃんと義妹が一緒にお風呂に入るのは普通のことじゃん。だから何にも恥ずかしがることは無いんだよ。」

 

 お姉様は本当に距離感がバグっている。

 

 お姉様の体が……いろいろな所が当たっているのに全く意に介していない。

 もしかしたら、もしボクにお姉ちゃんが居たらこんな感じで一緒にお風呂に入ってくれたのだろうか……??

 いや、ありえない。ドラマや小説を読んでも高校生になった姉と弟が一緒にお風呂に入るなんて相当な事がない限り起こるはずがない。

 

 「ねぇリュウ君、私疲れた。」

 「やっぱり長い間正座していると疲れますよね。もうそろそろ出ますか??」

 「いや、今度はリュウ君が私のことを膝の上に乗せてよ!!」

 「……ッ!?お、お姉様それは一体……」

 「その言葉通りよ。今の逆の状態。つまりはリュウ君の膝の上に私が座るって言う事よ!!」

 「……お、お姉様。でも、それだとボクがお姉様の方を向かないといけなくなるじゃないですか!!」

 「嫌なの??」

 「むしろお姉様はいいんですか!?」

 

 やっぱりボクのお姉様はどこかバグっている。

 お姉様を膝の上に乗せるとなると当然ボクが後ろに振り向かないといけなくなる。そこにはお姉様の豊潤な肉体が詰まっている。柔らかく少し熟れだした桃が2つ。小さく丸くも筋の通ったキリッとした顔に首。しぼんでいても触り心地がよいお腹。そしてお姉様の両腿の間にある小さくて大切な一つの子安貝。

 

 お姉様のすべてを受け入れなくてはならない。そんな覚悟がボクにあるのかと聞かれれば今のボクにはない。

 お姉様のことは大切だと思っている。だからこそ、ボクは傷つけたくない。

 綺麗な状態でみじかに明け渡したいのだ。

 

 ……でも。

 

 どこか心の中でみじかに渡したくない。ボクだけのお姉様であって欲しい。ボクの本当のお姉様であって欲しいと願う気持ちがある。

 それはイケナイ、入学するときに建てた誓いを破っていると理性は話す。でも、疼いて疼いて仕方がない感情はお姉様の真の義妹になりたいと……みじかを差し置いてボクだけがお姉様の義妹になりたいんだと願ってくる。


 「ねえ、まだ!?早く私はリュウ君の膝の上に乗りたい!!」

 「わ、分かりましたから暴れないでください!!お風呂のお湯が波立っています!!あ、ちょっと背中ポコポコ殴らないで!!」

 「リュウ君が分からず屋なのがいけないの!!義妹だったらお姉ちゃんの言う事は3秒以内に実現させること。」

 「それはちょっと厳しいですね……」


 少し渋っていたらお姉様がさっさと乗せろと暴れてきた。

 元々一人用であろう浴槽に2人で入っているから、たとえ広いお姉様の家のお風呂とはいえ限界もある。

 手や体を叩きつけたり、うねらしたりして暴れたせいでボクの方までお湯は弾いたり増えたりして波立っている。


 そのことをとがめたら今度は背中をポカポカ優しい力で叩いてきた。対して強くも無いから痛くもなんともないがむず痒く感じる。

 さっさと乗せろと背中を叩いてくるお嬢様がいるからボクはお姉様の方を向かないといけない。

 でもそれは覚悟を決める必要がある。


 ボクは息を一度吐くと、ゆっくりと吸った。


 そして意を決した。


 「もうリュウ君遅いわよ。さっさと私を膝の上に乗せてちょうだい。」

 「分かりましたから早くあっちを向いてください。色々見えちゃいます!!」

 「イロイロってどこかな~??」

 「…………っ!!」

 「あ、リュウ君怒らないで!!出て行こうとしない!!一緒にお風呂もうちょっと楽しもうよ!!ねっ!!」

 「分かりましたよ……ほら、ここの上乗ってください。」

 「やったぁ!!!」


 お姉様の全身は美しかった。


 整った体はまるで彫刻のように美しく、薄だいだいの肌色に染められているお姉様の体をまじまじと見ることは出来なかった。

 光り輝いていたお姉様の体は眩しすぎて直視できなかったのだ。

 お姉様は正座していたから幸いと言っていいか分からないが、一番大切な部分は見えなかった。でも、お姉様のおわん型の美しい双子山は真っすぐ目に入ってしまった。


 こんな美しいものがほかにあるのかと思うくらいお姉様のお胸は美しかった。

 そしてそんなお姉様のお胸はお風呂の水面に反射してまるで富士山のようだった。


 ボクはお姉様のように正座する。

 するとお姉様はボクのボディーに息がかかるくらい近くまで近づいて、そのまま膝の上に座った。


 ボクの太ももが柔らかいものを感じた。

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