その実力に、みなが気づき始める――
グリア王国は、若き皇帝の野心燃え盛るアークロア帝国と激戦を繰り広げていた。劣勢の中、辺境の村を治める下級騎士の息子カイルにも召集命令が下る。
敗北必至の戦争だったが、何者かの無双により王国は逆転勝利をおさめた。
だが、誰にも理由がわからなかった。何者が、帝国の兵を倒したのか。何者が、帝国自慢の八騎将を倒したのか。
当人のカイルですら、師である父としか戦ったことがなかったので、己の強さを自覚できていなかった。
それでも、カイルの異常に気がついた人たちはいた。近衛騎士団の才女、第一騎士団の精鋭、同盟国の聖女――彼らは思う。
戦争が終わったら、カイル・ザリングスを配下にしよう！
平和な日常に帰ろうとしたカイルだが――帰れない！？ 名士たちに口説かれながら、国のため民のために剣を振るい続ける。己のできることで人々を幸せにするために。
