第36話 宝探し8

 以降、ダイジェスト版でお送りいたします。


 「ほんとクロエとモーム大好き。一生愛す」

 「此処に公式カップルが誕生した」


 「え、ヤバ。思ったより状況カツカツじゃん」

 「待ってなんかあそこ修羅居るよね」

 「私相手するわ」

 「あ、エンギルさん」

 「…ってぇ。マジで容赦しないんだ。良いですよ、ソッチがその気ならコッチも同じことすりゃいいんで」

 「”来るな”ッ!!!!」

 「ねえ何でストーカー来てんの!?何で来てんの!?」

 「ヤバイヤバイヤバイ流石に寮長追加は無理!誰かお助けくだ__ 」

 「ヒョッ」

 「やっべ恋に落ちそう」

 「一生ついていきますイリヤさん!」

 「あ、分かりました。あと5分っすね」

 「寮長勢ぞろいとかもう生きてけないんですって」

 「あら男前ね、モーム」

 「モーム!!!!!?????」

 「何やってんだバカタレ!」

 「あ、やべ」

 「詰んだ」


 「想像してた以上にやべーな」

 「ウワ本当だ、あそこに居るな」

 「健闘を祈るぜ、クロエ」

 「…なんか怪しーんだよな、あの人」

 「うわっ、クロエ殴りやがった。もう許せねーな、本気で妨害しよ」

 「”炎兎えんと”!!」

 「何アイツクロエの知り合い!?ヤバそーだぞ!?」

 「間に合え間に合え守れなきゃヤバいって!」

 「アッ」

 「…良ーとこ、イリヤさんに取られちまった」

 「オレも頑張らなきゃな」

 「あ、5分後に決着っすね。分かりやした」

 「(ラスト)スパートでこんな来るか?寮長こんな来るか!?」

 「オレが鹿と真珠のリョーチョー止める。カイ、クー、クロエ、あとは頼んだ」

 「オレ等がこんな簡単に終わると思ってんのか。…終わらねーよぉ、ざまー見やがれ!!!!!」

 「炎兎ぉ!!!!」

 「ゲホッ、ゲホ」

 「あ、クロ"エ、うし __ 」


 黒い靄がクロエを背後から包む。その靄に拘束され、クロエは動きを封じられていた。

 その隙を狙い、エンギルは素早く駆け抜ける。


 ピンポンパンポーン。

 ”以上で宝探しは終了です。優勝した寮は、後日表彰を行います。生徒の皆さんは速やかに擬似空間から退出し、体を休めてください。また、宝探しで負傷した生徒は、保健室もしくはプラムディア寮生に怪我を治してもらってください。皆さん、お疲れさまでした”


 「てめ、自分の魔法に突っ込むバカが何処に居ンだ!耐性なかったら死んでたぞ!そうじゃなくても、気管を火傷する可能性だってあったンだぞ!」

 「そうよ!いくら追い詰められたからって、自殺に近い真似はよしなさい!死なれたら寝覚めが悪くなるのよ!」

 「そうだよモーム!自傷はやめな、喜ぶカイ変態だって居るんだから!リョナっぽい見た目になったらこの人はモームのこといやらしい目で見るんだから!」

 

 「なんかクロエだけオレの心配してなくね?…あ、”そこは信頼してた”?はは、ありがとな。次からは気ぃ付けるわ」


 これにてノルン校”寮対抗宝探し”、閉幕。

 優勝寮は”ウルフシン”寮。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る