第16話 文化祭準備 3

 「…というわけでクロエ、販売会側に短編でいいから話を出やがれ」

 「お口の治安が悪いですね」


「レイヤーたちに設定の提供をしたって聞きましたぁ。じゃあ販売会側にも提供してください」

 「えぇ…。なんすかその横暴」

 「今!コッチは!締切と!人が!ヤバイんだよ!」

 「…ごめんなす」

 「だから僕達が生きられるように、枠の埋め合わせで作品出せ」

 「報酬によりますぅ〜。なんぼ出すんですかぁ〜?」

 「…チッ。しょおがないなぁー!神絵師たちの特別合作をタダで出してやるよ!」

 「よっしゃやります。じゃあ内容の方について話し合うど」


 「カイ、クロエがノアさんに捕まってたけどどうかしたんや?」

 「…クロエお得意のハートフルボッコをレイヤー組に提供したら、何か連れてかれたんだよ。多分販売会側で話出さなきゃいけなくなってる」

 「オニーサンはあのオジョーサンのことよく知ってるんですね〜。何、マウントですか〜」

 「マウントですぅ〜。親友マウントですぅ〜」

 「うっわ言いやがる。じゃあアレだろ、クロエに彼氏できたら勝手に品定めするだろ」

 「するに決まってるんだろうが」

 「うわこのイケメンやば」


 「…お、クロエ。どした、ソファに突っ伏して」

 「…ぁ、モーム。助けてくださいなんでもします」

 「なんでも」

 「なんでも。私ができる範囲で」

 「じゃあコッチに来いクロエ。…んで、助けてほしいのはなんだ?」

 「…短編の話が思い浮かばないィ。モームの好みでいいから、何か話言って」

 「んー…。なら、人外と小さい子の話とかどうだ?こないだはハートフルボッコ書いたんだろ?次は普通にハートフル系にすれば良いんじゃねーの?」

 「それにする…。ありがとぅ、モーム」


 「…あそこの二人は何をしてらっしゃるの?」

 「は????」

 「うわーお似合いだぁ。モーム、めっちゃ嬉しそうだな」

 「は????」

 「まあでもウチ一番の美少女を膝にのせてたらそうなるか」

 「は????」

 「よーしそろそろ戻ってこいカイさーん!」

 「…なぁ、クー」

 「あ、戻ってきた」 

 「今俺が見てるのは現実だよな」

 「うん、そうなるな」

 「…そこをどけモームッッ!!!」

 「うわっ!?」


 「ノア、カイ、正座」

 「「はい」」

 「君たち二人はボクがいない間に何をしてたのかな。なんでクロエとモームは死にかけてるか教えてくれるかい?」

 「寮長、ワシ見てたんですけど、その二人まじ有罪に値する所業やってました」

 「教えてくれ、クー」

 「まずノアさんはクロエに強制労働を強いていました。で、カイは嫉妬でモームに襲いかかっていました」

 「…よし、二人とも」

 「「はい」」

 「ギルティ」

 「「すみませんでした」」

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