第24話 文化祭8 side.???

 文化祭最終日。


 今年はどうやら、たくさんの方々が訪れてくださったようですね。去年よりも客足は増えていますし、良い兆候です。

 …ただ。

 どうやら、良くないモノも訪れたようですね。いや、正体を現し始めたと言うべきか。

 性質を見るに、前からこの”ノルン”校に潜んで居るようですし。今はまだ被害はありませんが、いずれ害を成し始めるでしょう。

 嗚呼、面倒だ。

 今消したとしても、また新たに現れるんでしょうね、コレは。それも、より面倒な存在に成って戻ってくるんでしょうね。

 本当、コレを招き入れたのは誰なんでしょうか。

 「ハァ…」

 思わず、ため息が出てしまいます。

 ああ、今の一回で幸せが一回分逃げてしまいました。

 「アナタは知っているんですか?…いえ、もう知っているのでしょうね」

 アナタの顔を見ればわかります。その表情は、もうすでに何かを掴んでいる顔ですよね。何年も付き合えば、否が応でも分かりますよ。

 「知っていることでいいです。ワタシに、教えてくれませんか」

 アナタが望むものはワタシができうる限り用意します。そういう”約束”ですから。

 ですから、教えていただけませんか?アナタが知っていること、全てを。

 ワタシは宝物を護りたい。アナタは気に入ったモノを見続けたい。

 利害は、ずっと前から一致しているのですから。

 そうでしょう?


 「”バケモノ”さん」



 文化祭終了の鐘が鳴った。

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