第5話 鍵

「54メートルとなると

 ここの穴の直径は10メートル

 は欲しいわね」とジヴァニア。


そう言うとグノーム達で穴の

幅を広げる。


それを見てジェニエーベルは

「ところで、そのカギとなる人は、

 まぁその人の血ですが。」と

ルナティアに言うと続ける。


「どんな人だったんです?

 因みに墓とかありますか?」と。

「あぁ、墓地ならこの先だ」と

ウォッカは言う。


「あるかどうか分かんないわよ?」

とルナティアは言うと

「名前はぺネデスよ」と答える。


その瞬間ウォッカはルナティアを

蹴とばす。

「親父じゃねえか」と。


「同名の可能性は?」と鼻血を出しながら

魔法を叩き込むルナティア。


ウォッカはぶっ飛んだ後に

「神官だろ?」と鼻血を出しながら言う。

「あら、よく知ってるのね」とルナティア。

多分、エアストだろうが。


「そっりゃ知ってるだろう」と

全員は思う。


「母の日記を見ながら思ったんです。」

そう言うとジェニは話し出す。


血が必要と言いますが、実際は

様々な成分で出来ています。

その血の中の何が反応するのかと。


母は血を結構に流してしまって

その中に渦があったそうです。


そこに母さん、ミネルヴァが

足を突っ込み、塔に出た。

もしかしたら活力なのでは?と

思ってるんです。


生きるモノには血が必要です。

しかし、「血」が必要と言うのは

漠然すぎます。


向うの世界で学びました。

全ては「科学」で、そう「化学」で

解決すると。


「遺体さえあれば、なにか、」と

そこまで言うとウォッカは


「遺体はない。焼却されてしまって

 灰しか残っていない」と

寂しげに言う。


「本当に失礼なことを言いますが

 その灰が残っているなら

 やってみませんか?」とジェニ。


「そうだな」とウォッカは言うと

こんなバカげた岩盤との戦いより

いいだろう。と。


「向こうの世界では」と前置きをし

ジェニエーベルは言う。


死んで火葬された人の灰からは

残念ながらDNAは取り出せません。


という事はその中の情報である

ゲノムも取り出せないとなります。


俺はこのゲノムこそが鍵なんじゃないかと

考える次第であります。

なぜか政治口調のジェニであった。


ウォッカさんと美香、いやジヴァニアの

了承さえあればですが、と前置きをし


この世界は魔法があります。

統合と言う便利な魔法が。


ベルジュラックの肉体とその灰を

統合します。そしてそれを

ウォッカさんの血と統合させます。


多分、鍵は出来ます。


ウォッカは言う。

「労力と時間の問題だ。」と。

そして続けて、


今からベルジュラックの何かを

持ってきて、父ちゃんの灰と統合させる。

そこまでの時間は幻獣を使えば3日だ。


このまま穴を掘って洞窟に行くのに

多分、今日のようにサボっても2日だ。


「却下」とウォッカは言った!

ジェニエーベルの!渾身の考えが

否定され無意味なものとなった瞬間だった!


「因みに」とルエダは言う。そして、

鍵になる人ってどうやって決めるの?

と言うか、死んじゃったら他の人を

鍵にするとか出来ないの?と。


「面と向かって契約する必要があるのよ」

と目が金色のルナティア。

閉じ込められたら誰とも会うことできない

じゃないの。バカなの?と言う。


「今、エアストさんは外にいますよね?

 じゃあ、鍵にする人と契約できるのでは?」

とルエダ。


全員が言う。「そりゃそうだ」と。

ルナティアも言う、「そりゃそうだ」と。

そしてウォッカとの殴り合いが始まる。


「バカが神なんてやってんじゃねえ!」と

左フックを繰り出すウォッカ。

ルナティアはスエーで避けると右ストレート。

それにカウンターをあわすウォッカ。


よろめきながらルナティアは

「魔族とか勇者を鍵になんてしないわよ」と。


全員がルエダを見る。

ルエダは自分に指をさす。

「鍵になったら何か良いことは?」と

ルエダは言うと


「あるわけねえだろ」とウォッカ。

「無いと思うな」とジェニエーベル。

「多分、無いと思うよ」とジヴァニア。

「大いにあるわ」とエアスト。


沈黙が流れる。

ルナティアはルエダ以外を手招きをする。

「あんたたち、穴掘りたいの?」と

小声で話す。


「驚いた、いいことだらけだ」とウォッカ。

「いいことばっかりだ」とジェニエーベル。

「感動した」とジヴァニア。


3人はルエダを押さえつける。

そしてルナティアは契約の儀を行う。


そして鍵が誕生。

しかしその女性ルエダは

何故かご満悦だった!


「ここだけの話。」と言うと

憧れていたんだよね、こういうの。

なんか、特別?私特別なのよ?的な?


強くなるとか、魔法力?なんて

どうでもいいのよ。元々私強いし。


「さぁ!みんな私を敬え!」と締める。


4人は言葉を失いじっと見ているが、

なんとグノーム達とべビモスがルエダを

敬っている!そりゃそうだ!

掘りたくないからだ!


「よし、お前ら帰れ」とウォッカ。

「名残惜しいですが!」と笑顔で

べビモス。


「血を出せばいいのか?」とルエダ。

「ちょっと待って、テントとか片付ける」

とジェニエーベルは言うと

そそくさとアイテムボックスにぶち込む。


「魔方陣とやり方を覚えて」とエアストは言う。


地面に魔方陣を描いて。

その次に自身の血を魔方陣の外側、

この丸の所ね。そこに散らして。


「わかった」と言うとルエダは

二の腕の所を爪で斬る。

ドバドバと出る血を魔方陣に散らす。


回復薬を取り出しゴクゴクと飲みながら

「こんな感じか?」と言う。


「それでこそだ、さすが私の所で

 働いている奴だ」とウォッカ。

「なんか漢らしいな」とジェニエーベル。

「私はこんな人に勝ってしまったのか」

とジヴァニア。




























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