第39話 対抗戦

ゾクゾクと赤の国へ入る者達。

「もうここまでくれば一大イベントだな」

とバーボンはアスティが差し出した茶を

飲みながら言うと

「お前んとこの料理の選手権と同じ感じに

 してやろうかな」と座りながら言うアスティ。


「この出場者を見るともう、この大陸全体の

 最強選手権になってるぞ」とバーボン。


「今回の黄の国での騒ぎで俺も色々考えたよ。

 国のあり様について」そうアスティは言うと


「お前ん所はいい国じゃないか。アメリカみたいな

 感じでさ。州を族と言い換えているだけで。」

とバーボン。

「苦労したよ。23年だ。ここまで来るのに」

とアスティが言うと

「いやいや、早いだろ」と笑い合う。


「おれは次はもう引退するよ」と突然にアスティ。

そして続ける。


おれが異世界から来た時に世話になった

トロッケン族の為に色々した。

この世界の秩序にのっとりながら。


でもあまりに国のあり様が違いすぎる。

やっぱここは異世界なんだなぁといまでも

思うよ。この世界のやり方に少しづつ

向うの事を取り入れて、もうこれ以上は

逆にしない方がいいと思ったよ。


「お前がそう言うんだったらそうかもな」

とバーボンはお茶をすする。



「そういえばコニャックもくるぞ?」と

アスティは言うとバーボンは特に

驚きもせずに「そうなんだ」と。


「反応が薄いな。」と苦笑いのアスティ。

「そりゃそうだろう。他国の事だし。

 俺にはあんな国興味ねえしな」とバーボン。


「いい国になると思うよ?」と言うと

アスティに問いかける。


お前さ、向こうの世界、地球でさ。

日本以外のとこで移住するってすると

何処に移住する?

俺は迷うなぁ。なんだかんだで

日本しかしらねえし。


「だからジェニエーベルを使って

 日本を作っちまうのか」とアスティ。

「ジェニエーベルもそれの方がいいと

 言ったしな。順調だよ。」と笑う。


「俺はこの異世界で自由に生きる事にするよ。

 もうトロッケンへの恩は返しただろうしな。

 自由気ままな旅に出るさ」とアスティ。


「お前強いもんな」とバーボン。

「お互い様だろ」とアスティ。

「この世界の人間と俺達は何が

 違うんだろうなぁ」と言うと


「姿かたちは人間でも中身は

 別もんなんだろうなぁ。こっちきて

 魔法使えちゃうし。なんかすごい

 力強いし、もうゲームの世界だよ」

とバーボンは笑いながら言う。


「そうだなぁ、なんか自分自身を

 操ってる感は今でもしている」とアスティ。


「せっかくの異世界だ。楽しもうぜ」と

バーボンは言う。

「20数年かぁ。俺達はもう向うで

 死んだことになってるんだろうなぁ」

と笑いながらアスティ。


「帰りたい?」とバーボン。

「いや?」と笑うアスティ。

「俺もだ」とバーボン。


「俺もお前もゲーマーでオタクだったしな。」



この数年後、アスティは自ら地位を

降りる。族と言う概念を州とした。

黄の国の選挙制度を採り入れ、大統領と

言う立場を設け大統領府も設置する。



そして対抗戦が始まる


早々と1回戦が始まる。

カティ族は優先権を持つために

勝ち上がった者との戦いとなる。

今回は代表戦なので準決勝からの

登場となる。


カッツ族 テージョ 対 マリブ族 族長

マッカイ族 ルエダ 対 ベイリーヌ族 族長

コアントロー族 無名の斧使い 対 シーバス族 族長

マルフス族 ソミュール 対 クエルボ族 族長

カルーア族 ハヤブサ 対  ガンチア族 族長

キルビー族 ジヴァニア 対 ベルノリカール族 シャルル


カッツ族もマッカイ族も危なげなく

2回戦へ駒を進める。


コアントロー族の斧使いを見て

バーボンとアスティは絶句する。

「なぁ、あの斧。」とアスティ。

「あぁ、ありゃハジメの斧じゃねえか」と

バーボン。

「髪の毛染めてるがハジメだな・・・。」と

アスティは言うと

「面白くなってきたじゃないか」とバーボン。

そして結果は一方的な戦いとなり

コアントロー族の勝ち上がり。


「ソミュール出てきてるじゃねえか!」と

カッツ族の族長はテージョに言うと

「あ、私が言った。もう本人も乗り気でさ。

 私がマルフスの族長に紹介したよ」と

笑いながら言う。


全員がソミュールの戦いを見る。

「なぁ、あれどうやって回避するんだよ」と

ルエダはハヤブサに聞く。

「あんな魔法知らんぞ」とハヤブサ。

「ユキツーが数体いて頭上から

 閃光を降り注いでいるみたいな攻撃ね」と

ジヴァニアは唖然とする。それもそうだ


杖が3本、宙に浮き、そこから攻撃が

放たれているのだ。

「あれもう、ガン○ムに出てくる

 ファ○ネルじゃねえか」とアスティ。

マルフス族の圧勝である。


そしてハヤブサの試合。

「なぁ、どう見てもジェニエーベルだな」と

アスティはバーボンに聞くと

「いいや、ハヤブサだ。俺は今、感動に

 震えている」と!

「おまえはハヤブサを見て何も感じないのか」と

アスティに言うと

「そうだな、あれはハヤブサだ。

 アーチェリーを持っていてジェニに

 似ているが他人の空似だった。」とアスティ。


「それにしても完全に成り切ってるな。装備も

 上半身裸でいいのか?もうコスになってるぞ。」

とちょっと心配なバーボンであった。

それでもジェニ、いやハヤブサの勝利だった。


ジヴァニア 対 シャルル


お互いが決め手に欠ける中

20分を超える激闘となる。


「やっぱ勇者様はすげえな!」とシャルル

しかしジヴァニアの眼は青にはなっていない。


そして30分過ぎシャルルが短剣を置く。

最後はあっけない結果となるが


「いい判断だな、シャルル」とウォッカは

肩を叩く。

「娘強いねぇ、実感したよ。もう私達の

 時代じゃないんだなぁと。

 剣を短剣で受けすぎたせいで

 もう両手がしびれまくっている」とシャルル。


「本気じゃなかったくせによく言うよ。

 まぁでも、時代か。そうだな。

 私も今回限りで剣を置くと決めている。」

とウォッカ。



次の対戦が決まる

カルーア族ハヤブサ 対 マルフス族ソミュール

キルビー族ジヴァニア 対 マッカイ族 ルエダ

カッツ族 テージョ 対 コアントロー族 ハジメ(仮名)





































 




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