第16話 選手権
翌日、昼よりも早い時間帯。
ちょっとした説明が行われ・・・。
「さぁ!開幕だ!食ってそして!
投票してくれ!」
会場全体にバーボンの声が響く。
人が大きく動く。前日の夜の
下見で目当ての店に押し寄せる人!。
一番の行列があるのは茶華飯店
通常は屋台風では出さないお店が送る
渾身のファーストフード!
「茶華巻き!」
長さ約25センチの太巻きのような物。
直径は約5センチ!
薄切りお肉と葉野菜を交互に重ね
そこに秘伝のたれが仕込まれる!
外側は薄いモッチリとした皮!
次の行列は「マヨネーズ親父」!
もうすでに屋号で使っているじゃないか!
「ポテマヨとフランゴ揚げのセット」
ポテマヨはパンでサンドされ、フランゴ揚げは
持ちやすく紙で持てるようにしてある。
勿論、フランゴ揚げの中にマヨネーズだ!
もう至る所、あらん限りの料理が
出されている!
そしてひときわ目を引く「アノ居酒屋」!
俺達は量だ!味は普通だが
労働者の胃袋は量なんだよ!がモットー。
日本で言うラーメン丼くらいの器に
炊かれた米が大盛で注がれる!
そこに野菜のでっかいかき揚げが乗る!
そして!甘いたれがつゆだくで掛かる!
「揚げ野菜の甘辛丼」
この量は危険だ!と言うほどの量!
この世界では超マイナーな米の調理「炊く」
それを前面に出した力業であった。
そして!「麺屋 明日亭」
何故か客は女子が多かった!
だってリスボアだし!店長は!
しかし、次第に男子の客も多くなる
「特製 明日麺!」
ラーメンではない、どちらかと言うと
スープパスタに近いが細かく刻んだ
野菜が特徴である。スープはベースに
トンコツを使い、企業秘密のツユを
加えてある。麺は長さ10センチほど!
それが太い!
そして注目の「ビストロ セニョール」
コニャックの重税発言で気合いが入ってる!
まごうことなきキッシュロレーヌである!
サングリアのひき肉をふんだんに使い
そしてポテトも厚い!そしてなんと
スパイスは5種類から選べるのだ!
「冷めてもうまい!セニョールキッシュ」
その直径なんと30センチ!
そして我らがジェニエーベルが考案し
ダンが出店している「揚げ物 だんだだん!」
そこにあるのは揚げた丸い、そう
たこ焼きのような物であったがデカい!
通常の2倍の大きさのものが6個!
これは食いきれないぞ!ジェニ!
そして味付けはまんまたこ焼きだった!
しかし、中はちょっと堅めのシチューが
入っている。クリームコロッケが
たこ焼きになったような物!
そのクリームと外にかかった
たこ焼きソースがなんともB級な味を
醸し出している!
そして付け合わせにバーボンの塩ラーメンが
スープの様に出される!
そう、麺を思いっきり少なくしスープとして
出したのであった!そして塩味!
が、あんまり人は並んでいなかった!
というより!5人と数えられるほどに!
その裏で衝撃的なことがあった。
なんと、ごみがあまり見られないのである。
バーボンは選手権の裏で日雇いを雇っていた。
ゴミ拾いである。それが結構な人数いるのだ。
その者達は目立つ黄色い上着を着ており
誰が見てもスタッフなのだ。
3人一組で回っているのは安全上もあり
警備的なモノもあった。
幼い子もいるが他が大人なので安心して
仕事をしている。
「すごいですね。」とジェニ。
「おれは労働に対してそれ相当の
対価をキチンと払ってるだけだよ」とバーボン。
そして残り時間は3時間となる!
「いい加減、満腹だ」と方々で聞こえる。
ここから巻き返す店が現れ始める!
お菓子屋、そう!デザートである!
「冷たくてくちどけ爽やか!」と
呼び込む声が聞こえる。
ソフトクリームのような物を売っている
店があった。
「どうやって作るんだ?」とバーボンは
見に行くと、裏で魔法使いが一生懸命
低級魔法を使い、作っていた!
「ジェニ、この店を国に引っぱりたい」
そうバーボンは言うと
「魔法を、そう攻撃魔法士が普通に
調理に使う。その発想はこの国では
稀だ。この店主と話がしたい」とも言う。
「店主は?」と売り子に声をかけると
奥から「おれだ!今大変なんだ!」と
一生懸命、ソフトクリームを作る店主。
板の上には5個の魔方陣が現れては消え、
そして現れては消える。
何かのボックスから明らかに
ソフトなクリームが垂れてきてそれを
器用に形を作る。
「天才じゃねえか!」とバーボン。
「後で俺の所へ来てくれ」そう言うと
バーボンは店を後にする。
「あれ明らかにソフトクリームですよね」
とジェニエーベル。
「そうだ、びっくりした。」とバーボン。
「どこで知ったんでしょうね」とジェニ。
「それを含めて聞きたい」とバーボン。
他のデザートの店も客が流れ始める。
胃袋を満たすガッツリ系からの人が
完全に移った瞬間だった。
「しかし、評価の貯金がある!」と
ガッツリ系の店の者達は自信を見せる。
しかし、ガッツリ系の店に行列が
途切れない店もあった。
「ビストロ セニョール」が果物の
ゼリーを出していた!
高級食材の実は、使うのではなくゼリーの
味付けに使い、果物は普通に手に入る
安価な物を使っている。
「あいつ、ガチだ」とジェニは
コニャックを思い浮かべる。
そして時間が終了する。
投票に2時間を設ける。
1人が5店舗記入をしていくのだ。
集計係も各国から大量に人を雇っている。
そしてソロバンを使わせる。
「時間終了です!」とバーボンは言うと
「投票用紙に5店舗記入してください」
「結果は5時間後です!」と言う。
拍手喝さいが起こり、全員が
鉛筆のような物を持ち紙に書く。
「なにこれ、書きやすい」と声が
方々で聞こえる。
「でたよ、本当の目的はコレか」
とアスティはバーボンに言う。
鉛筆にしろ、ソロバンや他の器具。
そして街灯。そりゃこんだけやっても
元を取れるだろうなぁ。と
「いや、本当に飯屋は必要なんだよ」
と笑いながらバーボン。
「だから100円単位だったのか」と
アスティは言うと。
「それは偶然の一致だよ。そもそも
そんな金、この国しか使えないだろう」
とバーボンの一言を聞きアスティは言う。
よく言うよ、
結局買うのに換金が必要じゃねえか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます