第27話 マスクマン

話はそれたが実際はまだ私も魔族とは

何かなんてよくわかっていない。

強い存在であり闘気を纏える。

そして敵意や強い感情が出ると目が光る。

そして婆ぁにならない。


そんなところだ、と笑う。


お前は魔族であるがエンドと眷属契約は

行っていない。しかし、

母であるサンテミリオンが契約をしていた。

思えは必然的に眷属であることは

間違いないだろう。

ボルドーはサンテミリオンの眷属と言う所か。


「俺もボルドーもエンドの眷属と

 考えています。母が死んでしまっても

 俺とボルドーは生きている」


「眷属を生んだものが消滅するのであれば

 俺達も消滅するはずです。」


なるほどな。一番手っ取り早いのは

エンドに聞く事だが、あいつもよくわかって

ないらしいぞ?

昔に聞いたが「強いヤツ」としか

答えなかったしな。


「そういえば」とウォッカは言うと


アスティの対抗戦。後3か月であるんだが

私は諸事情でアスティの所で出るんだが

お前、暇ならここの部族の代表で出ないか?


そういうと今度の対抗戦は代表戦であることを

ジェニエーベルに話す。


「ちょ、ちょっと待って下さい!

 俺、よそ者ですよ!?挙句に他国の国主だし!」

と焦りながら言う。


バレなきゃいいんだよ。

もし出てくれるならエンドの所に

連れて行くのもやぶさかではない。


「いや!ばれるでしょ!」と強烈に

拒むジェニエーベル。


「これを被ればいい」とウォッカは言うと

バーボンの荷物から見つけ、気に入って

たまに子供の前で被る物を机に出す。


「これは!タイガーのマスク!」

ジェニは興奮する!


他にもあるぞ?と3個取りだす。


「うぉおおお!ハヤブサ!それにライガー!

 ウル○ィモドラゴン!」

興奮冷めやらぬジェニエーベル。


出るのであればそのうちの一つの

マスクを条件に付けよう。


「し、しかたないですね。

 エ、エンドに会いたいからですよ?」


どれを付けて出る?そしてどれが欲しい?


「ハヤブサです」と

きっぱりと言うジェニ。


「あ、そうだ」とバーボンの名前を聞き

思い出したように手紙を渡す。


ウォッカは手紙を受け取ると

隣の部屋に待機していた

カルーア族の族長を呼ぶ。


「ルエダは今所用で居ないが

 お前の事は伝えておくよ、ユウキ君」

とニヤニヤしながらいうウォッカ。


ジェニエーベルは族長と施設を出て行く。

「ウォッカさんってやっぱり怖い人

 なんですか?」とジェニは聞く。


族長は

「とんでもない。凄く優しいですよ。」

「まぁ自身が気に入らない事が起こると

 激怒しますが、それほど理不尽では

 ありませんよ、それほど・・。」と。


「ちなみにユウキさんはウォッカさんと

 親しいんですね、よっぽどでないと

 会ってくれないんですよ?」とも言う。


「私がここの部族の代表戦の選手として

 出ていいんですか?」とジェニ。

「ウォッカ様がお勧めする人です。

 異論はありません。因みに職は?」と

族長。


「そうですねぇ・・・。弓ですかね」と

ジェニは刀と思ったが身バレすると思い

弓で出る事とした。


それを聞き族長は目を輝かせる!

「弓!いいですね!いいですよ!

 ハズレ職とか言われていますが、

 そんな事はない!ウォッカさんが薦める

 弓職の方だ!期待しますよユウキさん!」と

ジェニの手を握る族長


「この後、お暇なら来てほしい所が

 あるんですが」と族長は言うとジェニは

「いいですよ、暇だし」と笑いながら言う。


案内されたのは道場のような所だった。

「ここは弓を修練する場所です。

 剣とか槍は各街にあるのですが弓は

 この街しかありません」


「赤の国でここだけですか?」とジェニ。

「はい、ここだけです」と肩を落とす族長。

道場に入ると黙々と皆が練習している。

族長も音を立てないように静かに入る。


一時して全員が一斉に族長とジェニに向かって

集まり礼を行う。


「デアル様!じゃなかった!先生!この方は?」

と一人の若い女の子が声をかける。

「ウォッカ様のお知り合いで弓使いの方だ」

と紹介する。


「あ、初めまして。ジェ・・・。

 ユウキと言います。よろしくね」と

挨拶をするジェニ。


「ウォッカ様のお知り合いの方だったら

 すっごく強いんでしょ!」と

全員がワイワイしだす。


デアルと呼ばれた族長もじっと見ている。

ジェニはその視線を外す。


全員の視線が熱すぎてジェニは仕方ないので

アーチェリーを取り出す。

「すっげえ!アイテムボックスだ!それに

 なんかかっこいい弓!」と全員歓喜。


全員がワイワイしながらジェニの後ろに下がる。


ジェニは歩きながら無造作に5発連続で放つ。

全てが的の中央に当たる。

「この線はなにですか?」と打ち終わってから

その線の所で立ち止まる。


「あぁ、そうか、ここから弓を放つんですね。

 失礼しました」とジェニは再度構えるが


「い、いや!結構です!すごいですね!」と

族長。周りの者達もあっけにとられている。


「しゅ、集中とか!しないんですか!?」と

一人の男が言ってくる。

「うーん。集中は弓を放つ時だけかな」と答える。

「ええ!でも連続で放ってましたよね!」と

聞かれると

「その都度その都度、してますよ」と答える。

「私達お話ししながらだったので

 うるさかったのに、集中できるんですか!?」と

女の子は行ってくる。


「実践では周りは静かにしてくれないからねぇ。

 逆に静かのときの方は経験ないなぁ」と答える。


全員が呆気にとられる。

ジェニも呆気にとられる。


「その弓、かっこいい!やっぱり弓が

 凄くないと無理なのかなぁ」と誰かが言う。


ジェニはあたりを見回して最初に声を掛けてきた

女の子に「ちょっとその弓貸して?」と

笑いながら言うと、女の子は少し顔を赤くし

弓を渡す。





















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