第10話 本音

「店主、俺は期待している」とコルン。

「任せろ、大陸一番はこの店だ」と店主。


情報によると、向こうは「マヨネーズ」

なる異世界の調味料を前面に出してくるだろう。

しかしな!この店にはこれがある!


何かが入ったツボを「ドン」と

机に出す店主!

「なるほど!これこそが茶華飯店の味!」

とコルンは唸る。


「異世界の味なんて珍しいだけだ。

 最初だけだ。これはエアスト大陸の味だ。」

と感慨深げに言う店主。


「親父、因みにどんな料理を?」とコルン。

「今は言えねえ」と目を光らせて店主は言う。


一方、黄の国の首都では


「出るのか?」とアノ居酒屋でドウロは言う。

「出る。」と親父。

「王道で行く。コメを使って丼物だ」と親父。


コニャックの部屋では


「バカじゃないのか?ジェニは」と

その紙を机に放り投げるが・・・。

「出るぞ。紫の国を飯で支配下に置く。

 貴族飯を庶民に合わせて出す」と言う。


「結構、くだけてきたわね」とマルチネ。

「そんなもんじゃない」とコニャック。

「ビストロ セニョールの店主に

 伝えろ。勝たないと重税だ」とも言う。


そして赤の国

「笑わせるじゃねえか!」とアスティ。

「街中にばらまけ!紫の国をこの国の

 味で席巻しろ!」と笑いながら言う。


場所は戻りサボルチ。


「私も店だそうかな」とウォッカ。

全員が一斉に

「それしたら、生きとし生ける者が

 この大陸にいなくなります」と言う。


もちろん全員が皿を投げつけられる。


「ウォッカって歩くだけで魔力が

 漏れてるのよ?」とルナティア。

「まじか?」とウォッカ。


「ってか、お前飲みすぎだぞ?」と

ウォッカはルナティアに言うと

ジェニとジヴァニアはニヤリと笑う。


「コルンてさ!」とわざと大きな声で

ジヴァニアは言うと

ルナティアの眉がピクリと動く。


「いい人いるのかなぁ、アイツそろそろ

 結婚とかの歳だし。」とジェニ。

「いるんじゃないの?イケメンだし」

とジヴァニア。


ルナティアの眉がピクピクしだす。

「あのね、アイツは只の雑務する奴よ?」

とルナティアは一気飲みをする。

そしてルエダが空になったグラスに

酒を注ぐ。そして飲むルナティア。


「あいつワザと、担ぎなおすのよ?

 多分、私のおっぱい目当てよ。いやらしい」

とゴクゴクと飲み、ルエダに酒を注ぐように

催促しだす。全員がニヤリとする。


「あいつってさ、癒されるんだよね」と

ジェニエーベル。

「そうなのよね、一緒に居て気が張らない

 っていう感じ?」とジヴァニア。


「あ、それあるわね。なんでか知らないけど

 愚痴とかこぼしちゃうのよね」と

ルナティアは一気飲み。そしてルエダが注ぐ。


「愚痴こぼした時って、コルンはどんな感じ?」

とジヴァニア。


「そうねぇ、うんうんと頷いて微笑んでいるかな。

 それ見るとね・・・。ついつい喋っちゃうのよ」

とごくごく飲むルナティア。そして注ぐルエダ。


「ルナティアは公務で大変だしね。」とジェニ。

「それが終わってコルンみたいな人が

 いるといいよねぇ」とジヴァニア。


「あれだ、家庭っていうの?帰れる場所。」と

ワザとらしくジェニエーベル。


「そうね、アイツと一緒に居ると楽。

 そう思えば、ずっといっし・・・」と

ルナティアは言うと顔面をスープにつっ込んだ。


「あらま!思った以上に弱かった!」とルエダ。

「くっそう。最後まで聞きたかったな」と

二人は言うと一気飲み。


「お前らはどうなんだ?」とウォッカ。


「ないない」と二人は手を振りながら言う。

「もう幼馴染すぎてないわね」と

二人は顔を見合わせる。


「ところでお前は何でリスボアなんだ?」と

ウォッカはルエダに聞く。


「そりゃ強いからですよ。いや、違うな。

 強くなるからですよ。」と平然と言う。

「あいつは天才だからな。」とウォッカは言う。


「アレは将来、赤の国を背負って立つ」とも

言うと一気飲みする。


「ちなみに!」と完全に酔っぱらっている

ジヴァニアは聞く。

「今、私が知ってる人の強さランキングを

 母様目線で教えて!」と!


「お前はこだわるな」と苦笑いのウォッカ。


残念ながら「現在」一番強いのは私だ。

そしてルナティア。

次にスコティ。まぁエルピスだったら

ルナティアの上だがな。

その次にジェニエーベルだ。

同列でシャルルとエルセブン。


そしてジヴァニア、その次にアスティ。


そしてソミュール。しかしソミュールが

エルピスの加護を持っているとすると

お前と逆転する。アイツはまだ伸びる。


少し間が空いてバーボンだな。

まぁバーボンは単騎ではそんなもんだ。


そしてルエダ。

その次にテージョ。しかしテージョが

いい武器を手にすれば逆転する。

そしてハジメ、リスボア。


他は知らん。と一気飲み。

そこまで言うと全員が料理に顔を

突っ込んでいた。


ウォッカは笑う。

「いい仲間を持ったな、ジヴァニア」

そう言いながら一気飲みをする。

優しく、そして美しく笑う。


「私もそろそろ引退かな。」と

呟くとスコティを呼び

「お茶づけを頼む。」と言うと

スコティは笑う。


「もうゆっくりしろって事にゃ」と

言いながら厨房に入る。


ウォッカはお茶漬けを流し込む。

「スコ、お前も食えよ」と言う。


「もう食べてるにゃ」と笑う。
















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