コーヒー専門店エスユー 「強がり」

俺は生田智和。最近事業所で働いている。

前は普通に会社員だった。大変過ぎるのと飽きたので辞めた。

事業所は気楽でいいな。皆も優しいし。俺のメンタルが弱過ぎただけだったのかもしれないけどさ。

さてこの時、俺はいつも通りここで簡単な仕事をこなしている。


「生田さーん!こちら手が空いたのでお手伝い願いますー!」


ああ、また俺を呼ぶ声だ。必要とされているんだろうが、今ちょっとそろそろタバコ吸いたかったんだけどなー。


生田「はーーい!今行きまーーす!」


早速さに呼ばれた作業台へ行く

すると俺のことを見ていた。その呼んだ人が。

ふぁっ?


「生田さん。その目、虚だね。呼んだのは仕事もそうだけど、その目について調べたかったんだ。眠そうじゃん。寝てないの?」

生田「えー、別に、寝てないことは… あいや、寝てないっす。最近酒盛りが楽しくて…。」

「つまり寝不足って訳ね。それじゃ日常生活に支障をきたすよ。悪い事は言わないから、これ紹介するからそこ行きな。」


先輩が何かカードみたいなのを見せてきた

ある店の紹介カードのようだ

「コーヒー専門店エスユー」?

病院じゃ無いのか


生田「俺、喫茶はあんまり行かないんですよねえ」

「いや、ここは君にピッタリのコーヒー専門店なんだよ。眠いなら、ここのコーヒーを飲んでシャキッと目を覚ましな。」


そう言われて俺は何と、帰らされた。先輩が無理矢理俺を今日は帰宅にさせられたのだ。

そんなのって社会生活的にありかよーー!

にしても先輩の目は俺にここをめちゃ勧めているみたいだったから、帰りついでに行ってみることにした。


場所はここから少し遠かったが、乗り物を利用すれば割と早めに着けるものだね

外装は小洒落た感じだ。中に入る。


店員「いらっしゃいませ。」


おっ 低い声だ。男なんだな。喫茶みたいな店なのに。


店員「こちらのお席へどうぞ。」


店員は俺を席へ案内した。客は割と多くも無く少なくも無いな。

席に座って出されたメニューを見ると、かなり色んな種類のコーヒーがあった。食事メニューも美味そう。

何にしようかなー じゃあこの何か目が覚めそうなやつにするかな ミックスコーラ。


生田「おーい!店員さーん。」


「はーい!ただいま。」と声が聞こえて店員が来たけど、驚いた。

何か、全身が防衛服になってるんだよ。いつの間に着替えたんだ…?さっきまでは普通に制服に頭全体の被るマスクみたいな顔面してたのに

ん、顔面? そういえばこの店員はそもそも全身的に何か着ぐるみを着ているっぽかった。


店員「お客さま。いかがいたしましょう。どうしたの?」

生田「ううん。何でも。このミックスコーラ下さい。コーヒーなんですかこれ?」

店員「はい。コーヒーなのに喉を少し刺激する炭酸が微細に入っており、酸っぱさもあり、絶妙な美味しさなのです。」

生田「それってコーラじゃん。コーヒーじゃ無いじゃん。」

店員「いいえ。それを成し遂げたのが当店なのです。何せここはコーヒー専門店ですからねえ。」

生田「なるほど。じゃあこれで。あ、あと、ホットケーキも一つ。」

店員「はーい。承知しました。」


さてさて。どんな飲み物なのかな?

店の奥からいい匂いがする。コーラそのものの香りだ。

コーラにしたのは眠気覚ましの為だ。

カフェイン取って作業してやろうと。そういう、俺の中の得体の知れない粘り強さというか、眠くても人から見ても普通にしているように見えるように粘ってやろうかと。

そういう強がりなことをしたいんだ。


店員「お待たせしました。ミックスコーラとパンケーキだ。」


店員の服装が防衛服から兎の着ぐるみに変わっていた

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