地獄の王 特別編 後編

太陽光が明るい

外の人々の視線が何やらおかしい

助けてくれ

みんなが、俺のことを悪く見ている

何でだろう

すると、後ろから声をかけられた

俺の名前で

振り向いてみると

見知らぬ男性だった

いや、顔立ち的に少年だろうか

和服を着ている

美形だ

何やら普通でない雰囲気なんだが

そもそも、何で俺の名前を知っているんだ?

「貴方はこの先はやめた方がいい」

そう言われた

この先って、この道の先だよな?

何でだろう

不思議な思いながら少年を無視して行く

すると妙な場所になってきた

雰囲気的におどろおどろしい

みんな、姿がおかしい

人間じゃないみたいだ

キツネのような、狸のような

どういうことだろうか

俺は異世界に迷い込んだか?

前方から何者かが近づいてくる

何者だ?

鬼のようだ

ここはどこだ

鬼は周囲を見渡しており、俺を見つけるとそのまま決定をしたようだ


鬼「お前は王様の餌食になるべきだ」

俺「何でだよ」


咄嗟に出た

何で俺が

王様って、あの人だよな多分


俺「何で俺が」

鬼「お前は大罪を犯したからだ」

俺「何でだよ。ただ王様の秘密を知っただけじゃないか」

鬼「それではない。寧ろそれは関係性を持たない。そもそも、そのようなことしか考えられないとは」


俺の罪ってなんだろう

何も無いじゃないか


鬼「君の罪、それはな 君が肉親を殺めたことにある」


その瞬間、俺の脳裏に何かがよぎった

さっき俺を止めたあの子

それは俺を現世に止めようとしてくれていたのだろう

素直に聞いておけばよかったか

俺は震える気持ちになる

すると前方から誰かが来た

王様だ。そしてあの少年。

王様は俺を見て話しかける


王様「昨日ぶりだね。この様子を見て君は、何も思わなかったかな?」

俺「この世界の様子ですか?みんな人間じゃなくて妖怪みたいで何か変だなあとは思ったけど」

王様「それこそが、君の来るべき場所だね。」

俺「?」

王様「君は天国行きではないよ」


その瞬間、俺は硬直した

そうだ

俺はそうだ

天国へは行けない

肉親二人を殺めたから

理由は簡単

お小遣いをくれなかったから

それだけ


王様「グレすぎなんだよ。お前は。」

少年「だからあの時引き返しておけばよかったものを」


あー

バレバレだったんだなあ

少年もそうならそうと

そもそも


俺「何で今俺を?死んだ後でいいのでは」

王様「君が昨日地獄界へ来ていたじゃないか。旅行でもそれは間違いだよ。この少年は俺の召使いだよ。」

俺「あーあ。俺、もう死ぬのか」

少年「あの時は善意で止めようとしたんだが、お前はそれを遮った。」

王様「そもそもここは俺の作った地獄への入り口だ」


ああやはり


俺「でも残りの俺の人生を行かせてくれよ」

王様「どうするかなあ。それは俺の気分次第だよ。フフ。」

俺「俺、まだチビのままだしそれが無くなってから」

王様「確かに君は小柄だね。俺のようになるにはまだ生きなきゃね。まあ、それなら生きろ。これを機に反省をしながら。」

俺「王様見ていたってバレていた いいけど、俺はまだ生きるわ」

王様「頑張れ。反省するんだぞ。罪が消えるほどに。」


その後は普通の世界に戻ってきて、普通に治った

今俺は生きている

力をくれた天使は今後は天国しか行けないようにさせた

死んだ後もそれであればいいな


終わり

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