俺の子供が欲しい。俺の遺伝子を持った子供が。3

俺は頭が真っ白にまたなった。いい意味で。

直ぐに女性と会った

その時に話を交えながらようやく知ったが、女性の名はヒメコと言うらしい。年齢は20代。

そこまで若い女性に孕ませてしまったのか俺は……クスクス。

妊娠生活は、ヒメコさんが自分で全てをやるらしい。何でも、10代から妊娠は経験済みで、結婚もしていたそうだ。その為、慣れている、のだとか。

名前は俺に考えさせるらしい。いいだろう。

これで俺は、女性のないという経歴や子供のいないという経歴がなくなった

人生が急に明るくなったようだ


そして何ヶ月もの間、ヒメコさんと連絡を取り合っていた。

赤ん坊は順調に発育をしているとのこと。性別は、女の子だった。

様々なやりとりをしていくうちに、俺たちは仲良くなれた。

そうしていると臨月に入った。なんてあっという間だろう。


すると突然、赤ちゃんが生まれたのだという報告が来た

お産に慣れているので直ぐに生まれたのだとか

俺は直ぐにヒメコの元へ向かった

するとヒメコが両腕に赤ん坊を抱えていた。

赤ちゃんは元気に産声を上げていた。


そしてヒメコは退院後、俺に赤ん坊を押し付けた。

これは………

育児放棄をされた?いや違う。これはヒメコとした約束、だ

(全部朗さんが赤ちゃんのお世話をするのよ。)

最初にした約束。これだ。もちろん守る。俺の子供だ。

名前は「竜女」と名付けることにした。


……………忙しい

何だこれは

俺の時間がまるで何もないじゃないか!

何をしようにも子供のことばかり。

疲れる。

赤ん坊が寝た後、料理をし始めた

この包丁で、あれを刺したら俺は自由になれるか?

ヒメコは赤ん坊を孕むだけだったのでもう来ない

クソ

すると赤ん坊がまた泣き始めた。なぜだ。さっき泣き止ませたばかりなのに

俺は包丁を何気に持ちながら赤ん坊の元へ向かった

そして抱く

すると赤ん坊、竜女が泣いて暴れながら俺の片手の刃物をバシバシと叩いた

結構力強い

すると刃物が上を向き、俺の腹部を何気に勢いよく引き裂いた

刃物の持ち手の部分を思いっきり叩いたのだが、それが勢いよく俺の腹を下から上へと引き裂いたのだ

猛烈な痛みと熱さが走る

出血が止まらない

俺は直ぐに電話をしたが、救急車が来るまで持つだろうか

赤ん坊は鳴き声をあげて暴れるばかり

ああでも

こういう、自分の子供に殺されるというのは、孤独死よりはいいか。

そう思うと、何となく安らぐような気持ちになった。このまま逝こうか。

すると俺は全てがどうでも良くなり、意識を天に手放した

その後、ニュースで一人の老人が刃物による出血ショックによる死亡が報道された

救急車が来る頃には男は死亡していた。


終わり

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