ショック

私はこの頃、ショックを受けた


だって明日に船が立つからだ


それの何がショックなのかって?

簡単だ。船が立つということは、海を越えるのだ

景色は綺麗だよと言われたが それでは心が晴れにくい


よし。ここの船を抜けてしまおう。


私は船から身をよじ登らせる

するとてっぺんに着いた

辺りはすっかり海しかない


ということは 抜け出せないのか


いいや。考えを巡らせてみる。

そうでもない。

思い切って私は、海の中に身を飛び込ませた


すると意識が遠のいた


気がつくとそこは病院だった

「あっ!リサさん、気が付かれましたか?お目覚めです。」


え?

「あら、言葉が出せないのも無理もありません。リサさんはここ数日間、ずっと寝たきりでしたから。」


寝たきり。私が?

「手術は無事に終わりましたよ。成功が懸念されていたが、どうやら成功のようね。」


ふと、自分の体を見てみると 腹に傷跡があった これが手術跡か


その瞬間、自分のことを思い出した

私は事故にあったのだ

乗り物の衝突

それにより私は意識を失った

ふと、窓の外を見ると

そこには船があった

船から悍ましい顔をした者がこちらを見つめていた 黒い顔だ

やはりあの船は乗り続けなくて良かったのだ


すると船は空気に溶けるように消えていった

あのまま乗り続けていたら、ここではない、地獄へと連れて行かれていたのだろう 助かった


「ま、実はそこが地獄なんだけどな」


え?!だれ?

すると声の主はもういなかった

すると同時に、寝ているベッドが、病院が、世界が

崩れていった やはりあの船に乗り続けていればよかった


終わり

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