概要
人間 × 植物型モンスター = 性癖
私には名前がなかった。生物の雌に擬態し、おびき寄せた同種の雄を捕食する植物型の魔物だった。人間たちは〈アルラウネ〉と呼んでいた。
私は人間を食い殺すために生まれてきた。
ある夜に一人の青年と出逢った。死にたがりの絵描きの青年だ。
初めて殺したくないと思った人間。なのに彼は私に食べられたがっていた。
「八十点取れたら食べてあげます」
私は彼にそういった。
私は人間を食い殺すために生まれてきた。
ある夜に一人の青年と出逢った。死にたがりの絵描きの青年だ。
初めて殺したくないと思った人間。なのに彼は私に食べられたがっていた。
「八十点取れたら食べてあげます」
私は彼にそういった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛してもいいのでしょうか
魔法が普通に存在する世界で出会った、食人植物の魔物と、微妙な絵描きの物語。
捕食する生物のメスに擬態してオスを呼び寄せ、ぱくっと食べちゃう食虫植物みたいな魔物のアルラウネ。彼女は森にあらわれた人間の男を、なぜか食べずにおいてしまいます。
そして、微妙な絵を描くその男との、奇妙な関係がはじまるのです――。
アイルと名をつけてもらったアルラウネが、とにかくかわいい。
お行儀が良くて、ちゃんと食欲もおさえて、えらい。
それに引きかえ絵描きはなんだ。甲斐性がひとつもないぞ。なのにいいヤツ。
なんなんですかこのバランスは。
普通に魔法があるゆえの、便利道具が一切ない世界が興味深いです。なるほどそう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!森の強者と街のおちこぼれ
まだ途中ですが、レビューさせて貰いました。
いちいちアイルの反応、仕草が可愛いくて癒されます。
相手の男は才能も甲斐性もなく、自信もない我儘な自称『絵描き』
アイルに毎日会いに行くのに、森で共に暮らす選択はしません。
ダメ男に惚れてしまったキャリアウーマンのようです。
『絵描き』の男にも事情と過去があり、日々の暮らしと少なくても友人がいます。アイルが出会う人々も皆、ちょっと気になる人ばかりです。
悲しい結末しか思いつきませんが、なんとか男に頑張って貰ってハッピーエンドを迎えて欲しいと願いたくなる話です。
八十点には届かない『絵描き』と純真な『アイル』の優しい物語です。