『フルダイブシステム』⋆




 数年前、世界のあらゆる先進国もしくは大国の首都のさらに目立つ場所(日本でいうとスクランブル交差点のような場所)でポータルと呼ばれるようになる異世界と通じる門が開いた。


 その中から出てきたのはファンタジーな外見の装備品や見た目をした転生者と名乗り、のちに帰還者と呼ばれる者達だった。


 アメリカに帰国した転生者は銃弾やミサイルすら防ぐ結界術を教え、中国に帰国した転生者は魔法を使用した兵器を教えた。


 ここ、日本で生還した転生者は2人。


 最初の『転移券』をもたらした者ともうひとり、転移券の先の世界で「クリア条件」を達成して神の一角に成った『錬金術の神』だ。


 フルダイブシステムは錬金神の女性…いやの協力の下、咲桜gamesが開発していたハーフダイブシステムをフルダイブに改良したモノとなる。


 ハーフダイブはジェル状の溶液を満たしたポッドに入り体をリアルで動かしながらやる(機械的な)のに対し、フルダイブは脳の発生パルスをヘッドセットで読み込み、それを行動として疑似世界に分身アナザーアバターを作り、これを動かす(魔法機械混合)ものだ。(簡単に言うとハーフダイブはVRの進化系で、フルダイブは睡眠時に見る夢を人工的に発生させてるみたいな感じ。)


 生まれつき四肢疾患のある者でも魔法製の義肢をつける前にリハビリとして使用され医療用としても使用できる画期的なものだ。


 首から下は脳のパルスを受け取れないため、寝返りが打てずに壊死して死んでしまうのでは?と思う方もいるだろうが、脳の代わりにヘッドセットが一定に決めらプログラムされたパルスを発して呼吸・心動・寝違えたり筋肉が攣ったりしないように寝返りを打つなどの行為をするため、絶対とは言い切れないが安全だ。


 それにどこかのデスゲームとは違い、ヘッドセットを無理に取ると死ぬ、というわけでもなく、普通に発生パルスがヘッドセットに流れなくなり体に戻るだけなので特に問題はない。


 ただ、過度な恐怖などの精神負荷をかけられると反射的に体が動いたりすることもあるが…


 まあ、長々と説明したが、ラノベ風に言うとめっちゃ安全な上にチョー楽しいリアルな異世界に行ける、最高のゲーム!ってことだ。


 完成までに100人以上(錬金神の作った人間に似たAI)が死んだけどね。


 まあ、そんなこんなで「ベッドの上で出来る現在最高のゲーム」がフルダイブシステムゲームというわけだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る